[コメント] それでも恋するバルセロナ(2008/スペイン=米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ウッディ・アレン作品に出演したい女優さんはたくさんいるのでしょう。
特に最近はスカーレット・ヨハンソンが連続してウッディ・アレンの作品に出演しています。『マッチポイント』がとても印象的でした。あの指輪がポーーンと投げられたあのシーン。執拗に迫る彼女の猟奇的な演技。見事でしたね。
ずっと遡ると、どうでしょう?
ダイアン・キートンから始まって、文豪アーネスト・ヘミングウェイの孫娘マリエル・ヘミングウェイ(『マンハッタン』)にちょっと浮気し、何と大御所シャーロット・ランプリング(『スターダスト・メモリー』)に手を出し、ミア・ファローに移り気して、最近はもっぱらスカーレット・ヨハンソンに落ち着いたみたいですね。すごいなー。映画監督ってモテモテですね。
今回はペネロペ・クルズも交えて美女の混合戦という感じで、それぞれの女性の個性が見事に表出されていました。
私はこの映画を”コメディ”として位置づけるのは大変難しいと思うのですが、まぁウッディ・アレンが監督するなら仕方ないかなぁという映画でした。
彼もアメリカを離れてすっかり欧州の人になってしまって、先頃まではイギリスだったり、この映画だとスペインだったり、要するに彼のシニカルなギャグをそれぞれの国の特徴を元に作品化しているということなんだろうと思います。
相変わらずセリフの応酬で、言葉合戦。
言葉のニュアンスも彼が出演している映画と同様、表現手法が一緒ですね。
今回の面白さはナレーション。
この物語を短くシンプルにするためにナレーションの手法を用いていますね。『カメレオンマン』のように。
そんなこんなでウッディ・アレンなら何でもあり、という、いわゆる大御所監督の領域に突入した彼のプライベートムービーです。
大御所の晩年はいずれも難解です。
黒澤明だってフェリーニだって、いずれも難解になって個人的な世界を表現しようとしますね。
こうなると観る側は、彼らのニュアンスを「感じる」ことしかできませんね。
「感じる」映画なんですね。
2010/02/13(自宅)
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