[コメント] ヒア アフター(2010/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
予備知識なく見ると映画ってホントに感動しますよね。
これもまた同じ。
クリント・イーストウッド作品としてはまあ地味な方なんでしょうね。彼が既に老いの世界に入っていて、そろそろお迎えが近付いていることを予感させるような作品でもあります。
『グラン・トリノ』で自らの出演に縁を切って、そしてさらに自らの人生とこれからの未来を重ねるように不思議な映画を撮ってしまいましたなぁ。
それにしても冒頭の津波のシーンは、今の私たち日本人にとってはとても衝撃的なシーンですね。リアル。すごい映像です。映像の進化を学びますね。
そして『シックス・センス』を思わせるような、死の淵にいる人々との対話。
マット・デイモンというひとはこういう地味な役柄も上手にこなすんですね。うまいねー。
で、双子の兄弟を失った少年と、津波で死の淵から戻ってきたフランス人の女性キャスターがどんどん同じ場所に集まりますね。そしてお互いを見つめあい認め合う。
少し強引な感じもしますけど、ファンタジーとして十分成り立つ作品だと思いますね。
フランス人の女性キャスターが、霊界のことにこだわって人気キャスターの立場を失ってゆくシーンは『アモーレス・ペロス』を思い出しましたねー。あれはモデルだったかな。人気絶頂のモデル。そして愛人かなにかプロデューサーと不倫しているんですね。でもって、事故で脚を失うわけです。
それまで彼女のポスターがビルのあちこちに貼られていたのに、いつの間にか別の女性のポスターに貼り替わっている。
人気稼業っていうのは出続けないとだめな仕事なんですね。大変な仕事です。原節子さんが絶頂の時に引退した気持ちが少しわかりますね。
というような支離滅裂な印象を残しつつクリント・イーヅトウッドの見事な映像美に、またまたうっとりしてしまいましたね。
感動しました。
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