[コメント] ロボジー(2012/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
うまい!ミッキー・カーチス!
この映画そのものですね。上手だな〜
敢えてこの映画を評価するとミッキー・カーチスの存在がすべてですね。彼の活躍だけがこの映画を支えています。見事です。
然るに映画としてどーなのよ???ということになりますと、ちょっと矢口史靖らしいパワーがここ最近の作品から衰えを見せているように思えてならないんですよね。
『ひみつの花園』から『アドレナリン・ドライブ』を経由して、彼の作品群としては『ウォーター・ボーイズ』と『スウィング・ガールズ』がピークになってるわけなんですけど、やっぱり彼は学生的なノリで映画を作るタイプのようで、映画の中で成長してゆく役者だとか、スタッフという存在がないと、映画としてのパワーを失っているように思えるんですね。
で、この作品の主人公に敢えて老人を使った、ということを深読みすると、自ら彼のこれまでの作品に華々しく輝いていた成長映画からピークアウトしようとしているのかもしれません。
ドタバタの展開についてはひみつの花園からの彼の真骨頂ではありますが、ピークアウトを狙った本作では、そのドタバタぶりにも元気が足りない感じが致します。
決して批判的に見ているわけではありませんが、映画でも芸術でも、代表作を世に放つ人は、それを持続することができないんですよ。
スピルバーグだってそうでしょ?
『ジョーズ』を超える作品を彼は生み出したでしょうか?
矢口史靖さんも、テレビタイアップ型の映画監督なので、彼のこれまでの作品の興行成績からして、自らの意思と思想だけで映画を撮ることがどんどん難しくなる中で、今回の作品に敢えて老人(それも見事な老人)をぶつけることで、ピークアウトしようとしているように見えました。
とても面白い映画ですが・・・
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