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[コメント] ル・アーヴルの靴みがき(2011/フィンランド=仏=独)

なんかみんなどこかで見たことがあるような気がする。(2012/5/20 新宿武蔵野館)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







移民の密航者の黒人少年を匿って逃走させようとするお話。 まあ、きれいきれいきれい。映画美術の全てを尽くした芸術品。 素晴らしい。

先日、新聞に東京の靴磨きの方の話が掲載されてました。 今時靴磨きの仕事をされる方も少ないようですが、就職活動中の青年が茶色い靴を履いていたので注意したんだそうです。そしたら別の日に青年が黒い靴履いてきて「内定もらいました」なんて報告に来たっていうんですよ。

ある意味おせっかいなお話ですが、美談ですね。この映画も靴磨きのおせっかいなお話です。

良く言われることですが、カリウスマキの映画って無国籍で多国籍な感じがしますね。 小津安二郎でもありタルコフスキーでもありアンゲロプロスでもあり、色々な映画の美的なテイストが散りばめられてます。

だから親しみやすい。

最後に少年を八百屋のリヤカーに乗せて逃げるシーンなんて江戸時代のお話みたい。

天敵と思っていた刑事が味方になるくだりは『隠し砦の三悪人』です。

こういう映画がまだ存在することに感謝。

アンゲロプロス亡き後、世界で安定した映画を作れる巨匠は少ない。

こうした小さなドラマをさりげなく作れるセンスはウディ・アレンにも似ているような気もします。

(評価:★5)

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