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[コメント] 華岡青洲の妻(1967/日)

痛い映画だなぁ・・・
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







増村保造監督の作品を見るのはこれが初めてかもしれませんね。いや実はもっと見ているんでしょうが、真剣に見たのはこれが初めて。

黒の試走車』とかも見ていますが、あまり現実味のない映画で、軽く見るのにはよいのですが、深く印象に残りませんね。

しかし、この作品は何しろ原作がすごい作品なものですから、映画になるとまた恐ろしいほどリアルな内容になっています。

途中で夥しい数の猫が虐待されるシーンは見ていて目を覆いたくなるような気分でした。

途中、麻酔にかかった三毛猫がよたよた廊下を歩いてきて倒れるシーンがあるんですよ。

これがこの映画を暗示しているような気がします。

所詮この映画は嫁と姑のバトルなんですね。

でも、それぞれがこの世を去る。

嫁は目が不自由になるほど夫の仕事に献身的でありながら、全く後悔していない。

こんな姿勢がよれよれの猫と対極にあって、病の人を救う医者の仕事は犠牲も多く出してきた歴史を厳しく表現しているように思われました。

いずれの役者もすばらしい演技でしたが、増村保造監督は原作を大きく逸脱することはなかったように思います。

オーソドックスな表現が続くこの映画ですが、ところどころで見せる美しい風景。たとえば薬園の白い花などのシーンは見事でしたね。

2010/04/15 自宅

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)りかちゅ[*] けにろん[*]

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