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[コメント] 神々の深き欲望(1968/日)

映画監督にはある時期ライフワークとして頂きに到達する時期がある。今村昌平10年間の絶筆前最後の作品。
chokobo

赤い殺意』や『人間蒸発』を経由して、この作品で今村が到達したものは”欲望”ですね。欲望とは見えないものである、錯覚ですよと言っている。見えないとうことを3時間近い映画というスクリーンに見せよう見せようと努力して、映画会社とも決別して借金背負って作った作品なんですね。

この頃の邦画は斜陽のまっただ中だったわけですが精神性の高い映画は沢山つくられていました。その中でも頂点に位置する作品だと思います。

ただし、どうも今村作品とはウマが合わない面があって、この作品でもそれこそウマ(松井康子)とのエピソードがだらしなく延々と描かれてるでしょ。どうもこういうところに奥ゆかしさがないなあと思うんです。今村作品全体に言えることなのですが、「変態なら変態らしくしろ!」とう側面と「もっと奥ゆかしく描け!」という中途半端な部分を感じてしまうんですね。大島渚なんてのは変態ですよ。ブニュエルとかもね。どっちかにしてくれ、と言いたいですね。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)甘崎庵[*]

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