タイトルに魚が重なるオープニングはコッポラ独特のオリジナルですね。何か全てが水槽の中で起こった事件のようで、それを予感させます。息苦しいような不思議な始まり。

ところどころ面白い表現があって、さすがコッポラだなあと思わせるシーンがありました。しかし、コッポラは表現に自信満々で見ている者に強い印象を与えることができなくなってしまったようですね。『地獄の黙示録』以来強烈な映像表現を回避し、テクニックにこだわるようになりました。

ダニー・デビートは見事です。彼は彼独特のキャラクターを生かしてこの映画全体を支えています。いかがわしい役柄ながら、見事に映画全体の語り部となっている。素晴らしい。

2006.11.04 あれから長い年月を経て、CATVで再びこの映画を見た。 感想として変わりないが。コッポラの作品としては決して上質な映画ではないことを再び確認する。

しかし、ここに出てくるジョン・ヴォイトやロイ・シャイダーなど、あらゆる俳優が悪役で出演している。かつての名優が悪役を演じているところに真実味が感じられた。