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[コメント] 美味しんぼ(1996/日)

実の親子対決は原作よりもほんわか対決に終わってしまった。
chokobo

森崎東色が原作の奇抜で嫌味な展開をソフトにまとめてしまったようだ。原作のコミックはもっと複雑で長く、内容はもっと混迷しているし。いいかげんにしろ!というほど理屈っぽい。

映画では実の親子である二人を、本当のドラマで対決させて、その亀裂の中に映画的なものを探ろうとしていたようだが、結果は全く面白くも何ともないただのドラマとなってしまった。この三国佐藤の親子は、実際にはうち解けていて仲がよい関係と見た。

もっともっとぶつかれば面白いのになあ、ということと森崎の古くて稚拙な音楽の使い方、そして全く映画として見る価値のないカラーという、要するにテレビで十分、という作りがこの映画を台無しにしてしまった。

話は面白いわけだし、本当の親子対決という過激な実生活とのシンクロが前提なのだから、もっと良い映画にしなければだめだ。

三国の演技は秀逸で見事。下手な演出がなければもっと印象を強くすることができたはず。

残念無念

(評価:★2)

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