かつてのアラン･ドロンを知る者なら、彼がどれほど世界的に有名かご存知だろう。もちろん出世作の『太陽がいっぱい』やヴィスコンティの一連の作品。特にこの時代の彼はホモセクシュアルなイメージが強く魅力的であった。

その後も『サムライ』（音楽がかっこよかった！）やチャールズ・ブロンソンと共演した『さらば友よ』、そしてこの映画にも出演しているジャン・ポール・ベルモンドと共演した『ボルサリーノ』である。『ボルサリーノ』は超有名な帽子のブランドです。

あれから２８年ぶりの共演となった本作であるが、アラン・ドロンのかっこ良さは変わらぬものの、なんとなく脇役っぽくて情けなさが残る。

これが引退作というにはあまりにもかわいそうだが、この二人のフランス映画界を代表するスターの共演は見ていて楽しい。そして懐かしい。