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[コメント] 哀愁(1940/米)

風と共に去りぬ』の次にこの絶望的な女性を演じるヴィヴィアン・リーの奥深さ。
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







風と共に去りぬ』で大役を獲得したヴィヴィアン・リーは、次の作品にこの『哀愁』に出演し、『欲望という名の電車』でアカデミー賞を受賞。このピークを境に精神状態に混乱を来たし、ローレンス・オリビエと離婚、結核を煩い死亡してしまう。

もともと裕福な生まれであり、気品のある姿は、彼女の生まれ育ちをよく表現している。この『哀愁』でも見事な、あでに美しさにあふれている。彼女が27歳頃の作品である。

この主人公は結局最後車に飛び込んで死ぬ。

そして生まれだとか育ちだとか名誉だとかというものを”戦争”という悲劇により失いながらも、一人の男を愛し続けるという、とてつもなく頑強な愛を貫くのだ。

対する男も年老いてこの出会ったウォタルウ橋に戻り、彼女のことを思い起こすのだ。

作られた年は奇しくも第二次大戦の真っ最中である。(話は第一次大戦の話だが・・・)そんな折にこのような悲劇が作られることも驚きだが、(日本では戦意高揚の映画しか作られていない。検閲も厳しかった、その時代である)この結末の驚きと、そしてこの悲劇の主人公を演じたヴィヴィアン・リーも凄い!

映画はとても品良く作られていて、二人の出会う橋、バレエ劇場、レストラン、彼の実家など、どれも素晴らしいセットだ。

そして最後、彼女な自殺するまでの葛藤。彼の実家から姿をくらまし、一人橋の上で物思いにふけり、次々と行き交う車と彼女の暗い表情のコントラスト。その光の数々など、マービン・ルロイ監督の演出も見逃せない。

こういう風情にある気品高い映画を見ることも、必要なことではないか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)中世・日根野荘園[*] りかちゅ[*] ジェリー[*]

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