[コメント] 僕の村は戦場だった(1962/露)
戦争を具体的に表現することなく、深層心理に焼き付ける映像は見事ですね。会話の中の戦争と少年の短い人生の悲哀。美しいシーンの連続。
確かに兵士は出てくるし、飛行機が墜落するシーンなど戦争映画として印象的なシーンは山ほどあるが、この映画はむしろ少年イワンの一生を一瞬にして描ききったところに凄みを感じますね。
イワンの悲しい境遇とは裏腹に白樺の森で戯れる男女。これがまた実に美しいシーンで、且つ緊張感たっぷりに情景描写されているものだから、イワン少年の成り立ちと最後の悲劇的なシーンがしびれるほど印象に残ります。
この頃から水のシーンは頻繁に使われていて、ボートのシーンとか思い出のシーンだどで印象的に使われています。雨だったり川だったり泥だったりするこれらの水はいずれもこの映画全体を包み込みます。この映画がモノクロで作られた理由、それはこの光と影の水を見せたかったからではないでしょうか。
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