[コメント] サイダーハウス・ルール(1999/米)
出演者全員が成長してゆく。ああ、なんと美しいこの映像。誰も悪い人などいないんだよ。
今最も好きな監督ハルストレム監督の見事な映像とその優しさ伝わる話に涙。これが今アメリカ映画なの?と思わせる優しさで、普段大作慣れしている我々を少し優しい気持ちにさせてくれるのだ。
思えば『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』から始まって、『ギルバート・グレイプ』など、役者と使い方も上手だ。その美しさ。着飾る美しさでも、輝く美しさでもない優しい優しい美しさ。この美しさを自分の愛情に変えたいと思わせる。こういう思いも日本にあった。
表現は違うが北野武も同じ。バイオレンス映画を思わせるものの、そのシャイな優しさが所々に表れる。必ずしもハルストレムの優しさとは異なるが、明らかに似通うものを感じる。
それは普段目を背けたくなるような人、目を背けたくなるような存在、そして関係を正面から優しくとらえようとしている。世間、社会から逸脱したような価値観の主人公は果てしなく自分の思いを貫こうとしている。しかし世間から必ずしも認められようとしない。そしてそれを理解しようとする女性など、この優しい優しい相関関係が美しい。
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