[コメント] キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002/米)
’60年代の雰囲気とフランスタッチ、ささやかに漏れ聞こえてくる音楽の不安と楽しさ。スピルバーグがこれまでの自作から脱却しようとしている。
実話だ、という話の進み方が面白い。映画のほとんどはフィクションである。実話であることを前面に置いて話を進めることの難しさ。これは誰にもわからないだろう。何と実話である。
オープニングもことのほかフランス映画の香り。ディズニーの映画『101匹わんちゃん』であったり『モンスターズ・インク』であったりするが、このオープニングはフランス、ヨーロッパのタッチである。そして冒頭、詐欺師が牢獄に入れられている。そこもフランス、マルセイユ。面白い。何となく懐かしい。
いずれにせよ細かいことは誰もが語り継ぐことと思うスピルバーグはこれまでの大予算、大興行という形式を逸脱してしゃれたコメディを作った。確かにこれまで多くのSFXを駆使してきた彼にとって、これは全く肩の力をぬいたさりげなく楽しい作品だった。
いやSFXを駆使した映画でも全く肩肘はらずに見ることができるものだが、その奥行きの深さなど細かなことは全く彼には問題のないことのようだ。思うものを思うように作れる映画監督なのだ。
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