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町田さんのコメント: 更新順

★3ボルベール 帰郷(2006/スペイン)アルモドバル映画にして、クライマックスが吹き替えの歌唱シーンでは余りに情け無い気もしたが、導入とラストには流石の風格が備わっていた。三部作云々と大袈裟に捉えるより、ヒッチ風サスペンス小品として気軽に味わうが吉。[投票(2)]
★2源氏物語(1966/日)恐ろしく薄汚い画面。まるで当時の香港アクション映画を見ているようだ。日活の二大女優をここまで無駄に使った例も無いのではないか。[投票]
★4浮世絵残酷物語(1968/日)浮世絵XポルノX怪談XSFX忠臣蔵。極彩色に迸る稚戯。女優の肌の白さも然ることながら、男達の声の深さが印象に残った。[投票]
★3黒蜥蜴(1968/日)純然たるキワモノ映画。ワイワイ愉しめるが当時の美輪明宏の魅力が十二分に発揮されているとは云い難い。[投票]
★5黒薔薇の館(1969/日)メロドラマ、そしてあらゆる過剰さへの嘲笑と賛歌。この美輪明宏にはカトリーヌ・ドヌーブも真っ青だろう。『愛のボレロ』を始めソングの質が極めて高く、川又昂の実験的/叙情的なカメラも見応え十分。これに横尾忠則まで噛んでるんだから、もう云うことは無しだ。[投票]
★4今宵、フィッツジェラルド劇場で(2006/米)複雑に交錯する人生とカメラアイ、そこに捉えられた人々はしかし、底抜けにシンプルで明るい。なんて余りに在り来たりなコメントなのでもう一言。ここで謳われる人生観は野坂や今村のそれと通底する。アメリカの『ウタ事師』に幸あれ。[投票(1)]
★3ママの遺したラヴソング(2004/米)Bobby Longの空中庭園。過去の亡霊と踊り次ぐ我が家。 [review][投票]
★513/ザメッティ(2005/仏=グルジア)グルジア産カフカ的「条理」。 [review][投票(1)]
★3殺人 MURDER!(1964/日)一番面白いのはスーッと滑ってくオバサン。[投票]
★4日曜の人々(1929/独)1929年、大恐慌以前のベルリンの、ごくごく平凡な良く晴れた日曜の風景。どこまでがワイルダーの功績なのかは不明だが、モデル=ワインセラー=レコード店員の、繊細な関係性の描写が絶品である。オイゲン・シュフタンによるドキュメンタルで開放感溢れる映像も、忘れがたい印象を残す。[投票]
★4婦人の困苦と幸福(1929/スイス)表面的には無認可堕胎が母体に及ぼす危険性を訴える医療ドキュメンタリだが、その背後には教会の、更に後ろには軍部の思惑(産めや殖やせや!)が透けていて、かなり胡散臭い。ただし映画としては素晴らしく、前半の再現ドラマ、特に無声のパートでは、モンタージュの正統が存分に味わえる。[投票]
★4最後のチャンス(1945/スイス)所謂越境脱出モノであるが、単なる反戦、単なる反抗に留まらぬ、高質なヒューマニズムを誇る傑作。台詞には英語、イタリア語、ドイツ語、仏語などが有りの侭に飛び交い、空間造形、キャラ立ちも素晴らしい。[投票]
★3魂を失へる男(1935/スイス)医療事故モノと見せかけておいて、徐々に精神分裂モノへとひねくり上げ、後半に至るやトンデモSFの仲間入り、オマケに論旨は、スイスでも独系人で固められている為か、実験精神万歳、ゲルマンの科学技術は世界イチィィ、ってな掛け値なしの怪作である。世界は広い、と、それだけは納得した。[投票]
★4霧笛(1933/仏=スイス)初歩的な仏語と独語の聞き分けさえ出来れば、殆ど字幕を追う必要もないほどの、チカラ強い映像、描写の数珠繋ぎ。ソヴィエト・サイレントを思わせる、実に無駄のない秀作である。愛犬の死から始まる復讐の連鎖、その悲劇を描いて、結末はやや甘口だが、ラストショットへの活動性には目を見張るものがある。[投票]
★4317小隊(1964/仏=スペイン)インドシナ戦争末期。劫掠と亡喪のカタルシス。過酷な戦場に於いて、ペラン演じる新米将校の騎士道精神が崩壊するまでの過程、その末路を、鬱蒼たる糞リアリズムと、祭祀的音楽で綴った、我が国のそれとも良く似た、堅調な反戦映画である。密林を這うクタールのカメラがひたすら素晴らしい。[投票]
★4背徳令嬢(2000/伊)ブラスの作品は全部見たわけではないが、これは劇場未公開の割りに良い方。特に女不動産屋さんとの絡みはコーフンします。公園を闊歩するオープニングシーンも楽しい。[投票]
★319才の頃(1968/独)情けない。チュフライやタルコフスキを看過して、スターリン時代に逆行したかのような柔な戦争映画であり、しかもその主張は、かつての同国民を全否定するわけにはいかないからか、かなり曖昧模糊としている。[投票]
★3アル中女の肖像(1979/独)大いなる酩酊の映画であり、既存のどんな映画にも似ていない。無言の女主人公と乞食女の遍歴は、羅列される統計数値以上に、何も象徴しておらず、馬鹿馬鹿しい喧騒だけが延々と続く。いつになく途中退席者が多かったが、私は結構楽しんだ。[投票]
★4下部ババリアの人間狩り[迫害](1969/独)性別、人種、日陰者、障害者、同性愛、に関するあらゆる差別が腸詰にされた戦後西独逸の村社会映画で、その不快感は相当なもの。主人公を演ずるのが原作者ということもあって感情移入出来る人物はただの一人もなく、家畜どもの嘶きは、未だ変われぬ独逸の悲鳴のように響いた。[投票(1)]
★4昨日からの別れ(1966/独)独逸の映画刷新運動「オーバーハウゼン宣言」の名と体を表す記念碑的作品であり、東独からの亡命ユダヤ人女性の彷徨を描きながら、社会性ともメロドラマとも、一定以上の距離を保ち続けている。強いて言うならば痴呆症のカフカで、その軽薄な不条理感は、ヌーヴェルバーグと比べても尚新鮮だ。[投票]