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町田さんのコメント: 投票数順

★2お葬式(1984/日)コントを映画的カメラワークで撮り収めているだけで、こんなものちっとも映画じゃない。人気タレントや懐かし俳優のカメオ出演だけで底の浅い脚本を持たせようという魂胆が丸見えで、殆ど笑えないし心も揺すぶられない。少年時代、蔑視した日本映画の典型がここにある。 [review][投票(3)]
★4ラストタンゴ・イン・パリ(1972/伊=仏)「見えない部分」を残しつつ立体的に交差することで恋と街の魅力は惹き立てられる。シュナイダーの心の反転に完璧な納得性を与える、ブランドの個性と演技・ベルトリッチの演出は完璧で、過剰ささえも巧緻だ。 [review][投票(3)]
★5その男、凶暴につき(1989/日)シラケることにシラケた男の確信は、ひたすら真っ直ぐに、それも間違った方向へと、歩み突き進んでゆく。島国根性のムルソーに彷徨も太陽も法廷も必要ないのだ。映画の映画性・物語の物語性を生かしつつ、知らず知らずの間に脳内にこびり付いた「あたりまえ」の悉くを破壊し尽くす、真の革命児による真に革新的な処女作。 [review][投票(3)]
★4私のように美しい娘(1972/仏)真夜中のカーボーイ』に代表されるように、勘違い野郎ってのは大抵馬鹿を見るもんだが、勘違い女ってのは若くて顔か体さえ良けりゃ無敵である。そういう人類創生以来絶対の真理を、とってもおおらかに面白可笑しく描いた、ある種の動物映画です、これは。 [review][投票(3)]
★3山猫(1963/伊)自ら為すべきことの凡てを理解し、受け入れた預言者の「わかっちゃいるけど、堪えられない」その哀切。死して悠久たる歴史の一部となることに喜びを感じ得ることが貴族の資格であるとすれば、ビスコンティ自身もまた猿で、彼も当然にそれは理解していたはずだから、これほど絢爛で謙虚な映画もないと云える。バート・ランカスターが死ぬほど格好良い。ドロンが霞んでしまう。<完全復元版> [review][投票(3)]
★4まぼろし(2001/仏)現実を黙殺し、過去を捏造し、代償を拒絶し、血縁を否定し、科学に叛逆して絶対的な主観の海を漂う一人の女。どんな他人が何をしようと彼女を悲しみから救い出すことなど出来やしないのだ。そしてその厳然たる事実だけが、傍観者たる我々を僅かに救済する。なんという皮肉。オゾンの残酷さ、優しさ、ここに極まれり。[投票(3)]
★4昼顔(1966/仏)暖色の印象的な絵画的画面と、けして下世話にならない上品さ。不安と願望と集団意識、何気ない記憶の断片から構築される物語はまさにシュルレアリスムの正統か。(この年、シュルレリアスムの提唱者アンドレ・ブルトンが死んでいる)[投票(3)]
★4幻の光(1995/日)柔らかな照明と、端正かつ静謐なロングショットで、人物の「全身」を捉えようという、ごく平凡な試み。それを支えるのは是枝の圧倒的な技術である。それと彼は「回顧主義者」では無い。明らかな「廃墟愛好者」である。 [review][投票(3)]
★5にっぽん昆虫記(1963/日)日本の女のケツが小さくなるに連れ、今村の映画は急速にパワーを失ってくが、この頃の作品はどれも最高である。殊に本作は素晴らしい。なんたって北林谷栄・左幸子・吉村実子である。短歌表現も絶品。[投票(3)]
★4雁の寺(1962/日)けして取り戻せぬ母性に、けして羽ばたけぬ空に、少年僧慈念が抱いた両義的な感情を、川島雄三は時に馬鹿馬鹿しささえ感じさせる突飛なカメラ視点から追求、代弁する。便所と墓場のシーンは圧巻。 [review][投票(3)]
★1盲獣VS一寸法師(2001/日)映画未見の方にも読んでもらいたい、私的石井輝男論パート2:「私が石井監督に求めるもの」 [review][投票(3)]
★4リアリズムの宿(2003/日)全国のスロースターター募集!!<未経験者歓迎、免許不要、国籍不問、超短期OK、服装自由、食事補助あり> [review][投票(3)]
★3堕天使のパスポート(2002/英)日本には松本清張が居たし、横山秀夫が居る。この程度のサスペンスじゃもう驚けないし、それ以外の部分の魅力も薄い。オドレイ・トトゥの話す不器用な英語は、これを移民のリアルと見ることも出来ようが、全体的にはドラマの陳腐化に繋がってしまった気がする。 [review][投票(3)]
★4風音(2004/日)過去を離れて海を見る、涙を風に流す人々。 [review][投票(3)]
★2将軍家光の乱心 激突(1989/日)降旗にケレンを求めちゃ駄目だ。完全に人選ミス。この映画はマジメ人間が最悪のタイミングで放ったダジャレそのもの。 [review][投票(3)]
★4息子のまなざし(2002/ベルギー=仏)全編ハンディカメラで、しかも切り返し無し。音楽も一切無し。眠くはならなかったが、目が痛くて敵わん。 [review][投票(3)]
★5砂の上の植物群(1964/日)若き父の幻影に脅かされ続けた孤独で平凡な中年男が、展望台の少女に託された「鉄の槌」を振り上げ、日常の亀裂・女の裂け目・無限に下降するエレヴェイターへと身を投じるまでの経過を、丹念に耽美的に、そして幻想的に描き挙げた、映画監督中平康のまごうこと無き最高傑作。[投票(3)]
★5真夜中のサバナ(1997/米)法廷ミステリであることなどいっそ忘れちまえば良い。最期の最期まで奇人怪人紳士録、群像悲喜劇として見れば想像以上に愉しめる。特に本人役で出てるドラッグクィーンレディ・シャブリは最高。下手な名優のオカマ演技の印象など1/100に薄められてしまう程の存在感。 [review][投票(3)]
★5長屋紳士録(1947/日)お母やん坊やが茅ヶ崎の海岸と路地を巡るシーンを筆頭に全画面、壮絶なまでに映画的。吉川満子との会話、着膨れした坊やの造形なども神懸っており、これが戦後日本が生んだ最初で最高の芸術的創作物であることを俺は信じて疑わない。 [review][投票(3)]
★5タカダワタル的(2003/日)タカガワタシ的。サレドジブン流。 [review][投票(3)]