[コメント] キル・ビル Vol.2(2004/米)
自分に残された僅かな可能性の中からほんの一握りのオリジナリティを探り当て、それを既成の映画文法に当て嵌めて行くのが他の多くの同時代映画作家の遣り方だとしたら、既成の様々な素材を「テメェの土俵」「テメェの地平線」に持ち上げてカチ合わせるのがタランティーノ流。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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で、この「テメェの地平線」ってのを引っ張れる奴が中々いないのである。10年、20年に一人くらいしか出ない。己の価値観・センスの下に時代を従えてしまう男。
だから、タランティーノの引用はタランティーノ独自性を些かも否定しない。
てか、こんな映画、他にないでしょ?
それだけじゃない。
とにかく凄い。『キル・ビルVol.2』は前作以上にホンマモンの映画であった。様々な感情を激しく揺ぶられた。
特に長い回想から帰ったXXX(ユマ)が拳で棺桶を突き破っていくスポ根的シーンなど、涙なくして観ていられない。
二部構成にした意図も痛いほど伝わって来る。
一部であれだけ大量に殺しまくったXXXが、この第二部ではたった一人っきりしか殺していないのである。
これを題して「ラブ・ストーリー」とは。
いやはや。感服仕りました。
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