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[コメント] DV(2004/日)

男性にこそ観らるるべき、非常に意義深い作品。小沢和義を軸とした戯曲的な面白さもある。ローアングル、広角、多重露出などなどDV(デジタルビデオ)の限界に挑戦した作品でもある。(つまり限界を感じさせる、ということなのだが・・・。小手先の技巧を駆使したところでDVの映像には決定的に艶が無い!)
町田

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







亭主の怒りは、怒りとしては真っ当な人間的なものであり、間違っているのは怒ること自体ではなく、その怒りを偏執的行為として、暴力として表現することなのだ、ということ、そして亭主の暴力に屈服することは、暴力の価値を認めたことに他ならない、だから妻は立ち向かわなければいけない、逃げなければならない −という非常に公平で、かつ具体的な作劇&論旨。

しかし、幼年期から家庭内暴力を日常的・継続的に受けてきた人間は、自身も暴力的になる傾向が強いから「家族なんか持つべきじゃない」というのは少し乱暴、言い過ぎな気もする。

「お前、子供、殴るよ・・・。お前がそうされたみたいに・・・。」

 ”映画的キメ台詞”としては最高にイカしてるのだけれど、ね。

この映画は私にはとても為になった。私には充分、DV加害者の素因がある。私は、 英由佳のよう女の無神経や、強欲や虚栄心に、眼を瞑ることが出来なかった。許せなかった。私は、・・・気をつけようと思う。

****

しかし「バイオタイド」って会社は今後もDVだけでやって行くつもりなのだろうか。渋谷のラス・メイヤー映画祭は全部DVD上映だったが、映画は35ミリっていう考えは、これっぽちも無いのだろうか。DVDを映画館で掛けて高額な35ミリフィルムと同じ料金をせしめて、彼らの良心は痛まなかったのだろうか。嫌いな会社である。本作がメイヤーの『スーパー・ヴィクセン』から閃いた彼らが持ち込んだ企画だろう、ということが明白でも、全然好きになれない、応援する気になれない映像会社である。

(評価:★4)

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