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[コメント] お早よう(1959/日)

尻喰らえ安二郎。
町田

1959年。他社からはイマムラやマスムラ、自社松竹からもオオシマ、ヨシダなんていう、大層高学歴の、顰め面しい若造監督共が出て、作家も批評家もファンも一丸となって「リアリスムだ!」「ゲージツだ!」「新しい波だ!」なんて息巻いてた、そんな年の気負いを、この戦前から第一線で活躍する大大ベテランは、たった「屁」だけで軽くかわしやがるのか!

なんたる小気味良さ!

なーんて、大絶賛しようと思うたのだが、最後まで見終わってみたら、なんてこたぁない、大宅壮一の例の有名な標語に乗かっただけの、フツーに観念的で、ビミョーに説教臭い、単なる保守反動映画だった。

当時の人はさぞ思ったことだろう。

「小津は古い」と。「うるせー、馬鹿」と。

それは多分、一時停止、早送りは大いに活用、気に入った台詞があれば巻き戻して何度でも聞いちゃう21世紀のビデオ・DVDファンが、自分のそういう愉しみ方に難癖を付けてくる「名画座主義者」に抱く「ケッ、オタクの回顧主義者めらが!てかオメェいつ働いてんだよ。こちとらテメェらほど暇じゃねぇんだ」ってな反感と一緒。

(評価:★3)

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