[コメント] 激動の1750日(1990/日)
中井貴一の対立軸がいないではないか。陣内にしても渡瀬にしてももっと人物を掘り下げなきゃドラマっつーもんは成立しない。夏八木勲の敵役も貫禄不足。
娯楽時代劇の全盛に間に合わず、任侠やくざ映画では日を目を見ず、実録やくざ映画の時代になってようやく東映の表看板として華を咲かせることの出来た監督中島貞夫。
しかし元来情緒的な中島演出は実は実録路線には全くの不向きであった。中島の本領は義理と人情の相克、その中でも「男と女」の情を描くときに発揮されるからだ。そういったものを真っ向から否定する深作欣二のドライなダイナミズムとは正反対なのである。
中島の映画を見るにつけ、時代を追い求め追いつけなかった男の憐れを感じずにはいられない。
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