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[コメント] フリーダ(2002/米=カナダ)

これはフリーダが抱いた希望や不安がどのようなものであったのか、それが彼女の作品にどのように表出したかを丹念に検証した作品。
町田

この映画には、芸術家の奔放な人生を妄信的狂騒的に賛美し美化するミーハーさも、その不幸を反面教師に見立て訓戒を垂れる傲慢さも、特定の思想の宣伝・糾弾に利用する下劣さも見当たらない。かといって美術出版社の解説文のように難解なわけでも味気ないわけでもない。情熱性と客観性、肉感性と精神性のバランス(或いは振り幅)が比類ない。

その上に!視覚・聴覚に飛び込んでくる豊穣なイメージの数々!(俺が驚いたのは例の金粉のシーンと、眼鏡越しに描かれるフリーダとトロツキーのベッドシーンの移動撮影です)有難う御馳走様と云いたい。そして個展に行くつもりで行けなかったのが悔やまれる。本作を封切で見てさえいれば!

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)Linus[*] ナッシュ13[*]

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