楽しい映画だろうけど、気持ちよく笑わせてくれない。

冒頭、捕獲されたSATの隊員達を床に並べてケータイで面白おかしく撮影してる描写からして悪趣味。おいおいキミ達は子供か？。噛み付き魔に襲われた女子校生に対する青島刑事の態度も失礼極まりないし、他の職員もまるで他人事のような扱い。おいおいキミ達はホントに警察官なのか？？ボディガードをしてた女性がわざわざお礼に来てくれたのに、子供みたいにふてくされて返事も返さない青島刑事。おいおいキミはホントに大人なのか？？署長の不倫メール騒動なんか、おいおい笑ってええんかい？...よくないだろ〜笑い飛ばしていい問題じゃあ無いだろ〜（賄賂も件も同様）。なんか全体的に、お笑いのネタに節度が無さすぎるよ。

SATがあんなにも役立たずな集団だとは。所轄の一刑事に簡単にハメられちゃうわ、犯人を包囲しても逃げられちゃうわ、本物のSAT隊員が見たらどう思うだろうか？と言うような描写の連続。リストラ・サラリーマン相手に拳銃武装した物々しい集団がそこら辺をウロチョロしてるってのもヘンな話だし、正直カッコ悪ぃぃ。隊長（高杉亘）はリーマン相手に走り回るんじゃなく、機龍隊を率いてゴジラと戦うべき人物だ。

カメラを担いだ報道陣や目立つ制服来た女子校生があっちこっちでウロウロ。まるで芸能人扱いな刑事たち。「血ィくださぁい」とカメラの前で演説する青島くん。なんだかワイドショーを見てるみたいだなぁ。盛り上がる場面のはずが、あまりに警察官らしくない警察官だらけなもんで、白けますがな。

画面の端々に余計な物・人が大量に写りこんで暑苦しいったらありゃしない。さらにおなじみの「さぁさぁ、ココで泣いてねん♪」と言わんばかりの本広”チョー感動的”大演出は（性懲りも無く）今回も炸裂。お得意のスローモーションが出てくるたびに「あ、きたきた」とニヤニヤしてしまう。湾岸署の面々以上に変わってないなぁ、この監督は。進歩とか成長とかには無縁の演出家ですな。

わざわざレインボーブリッジの途中で車止めて「やーい、バーカバーカ！」と子供のように吠える犯人達にガックリ。そこら辺で鼻水たらして遊んでるガキとどう違うんだか。良い上司に恵まれたら組織も悪くないだろうが、一生良い上司に恵まれない人だっている。そんなリストラされたサラリーマンの悲哀なんてものが何一つ無い。こんな人達を相手に「よし、お台場封鎖だぁぁぁ！！」とかのたまってる警察にもガックリ。

沖田女史は結局ただの憎まれ役で終わっちゃったけど、何のフォローも無く悪役のままで退場していった女性と言うのが少しだけ新鮮に思えた。ただ、あまりにムチャクチャな言動ばかりなのは疑問。これじゃ「だから女はバカにされるのよ」ってセリフを何のために言わせたのかわからなくなる。演じた真矢みきが少し気の毒だ。

本店VS所轄と言うテーマもすでに限界を超えてる事だし、ファンのためとは言えズルズルと続けては余計に踊る〜の名を汚してしまう事にもなりかねない。でもファンからすれば続編が出てくれるだけで嬉しいものなのかも。事実、メガヒットしたんだし。

続編作るのは自由だけど、すでに終了してるも同然な物語にムチ打って走らせるのもねぇ。

青島君や恩田君のために、事件を無理に起こす必要なんて無いじゃない。

起こらないほうが平和で良いじゃないか。

と、踊るファンでない私はそんなことを思いますが。