ジェット・リーとの戦いなど、自分の見せ場は当然作りつつも、大命を負って旅をし、悩み、成長するのはあくまでも少年。己はその少年に教え諭す年長者にすぎないとする。

最近の、年老いてから若かりし頃ヒットした映画の続編に出演し、たるんだ肉体を晒してながら大金をセコく巻き上げているどこぞのインディアナの教授とか、ＮＹ市警の刑事とかに比べ、なんと映画のことを考え、愛し、そして映画の力を信じていることだろう。

内容としては人間成長的邯鄲の夢であり、胡蝶の夢のようでもあり、ジャッキーin果てしない物語である。まったくありふれた題材だし、ジャッキーとジェットがちょっと凝ったメイクで二役ずつこなし伏線を張るところとか、なんだか見慣れた手法で、予定調和なところもあったかもしれない。

しかしこのジャッキーやジェットの姿勢は本当に素晴らしく、またその二人のアクションはさすがに往年の緊迫感はないものの、いうまでもなく素晴らしく、実に満足な2時間を演出してくれた。大満足の★４つ。