[コメント] PLANET OF THE APES/猿の惑星(2001/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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チンパンジーやオランウータン、ゴリラたちが共存共栄するさまは、黒人だ白人だ日本人だと人種差別のなくならない地球人に比べると、猿たちよっぽど社会的。といってもあそこもまた地球なわけだが。
ところどころのセリフに出てくる人間に対するアイロニーもまたおもしろいが、ティム・バートンってそんなことするキャラだったっけ。
内容については、最後の戦いの後で簡単に人間と和解してしまう猿たちに唖然とした。これまでの確執はそんなに簡単に消え去るものではないはず。まあでも、ティム・ロス以外はそんなに反人間だったわけでもなかったのかな。
とりあえず、猿VS人間という簡単な二元構造にしてしまわず、猿たちにもたくさんの個性を描いた点は大きく評価できる。美容師がいたり、子供たちがボール遊びしてたりで、より猿側に社会感というか生活感がでていたのもよい。
で、問題のラストシーン。 最高。ティム・バートン最高。あれだけさらりとラストを書き換えたわりにはその根底にある精神というか、もともとの『猿の惑星』や原作の趣旨を全く損なっていない。それにしてもあのラストは・・・あのあとアレがあーなったってことだよなあ、やっぱ。
2001年8月3日追記(旧作のネタバレ多少。まだ観てない方はそっちからのほうががよいかもです。)
一応ラストに関する私の考えを書いておきます。 noodlesさんのおっしゃるとおりパラレルワールドで、もいっちょがんばれウォールバーグというのもありえる話ですが、私は旧作の女神像からも想像されるように(まああれは未来だったわけですが)、主人公がおちたのはやっぱり太古の地球ではなかったかと思います。そうすると母船もタイムスリップしたことになってしまうんですが。そして主人公がかえったあと、セードはどうにかしてあの宇宙船から脱出し、猿たちを再び糾合して(だまくらかして)惑星を再征服したのでは?というのが私が思ったこと。でもこの考えだと時代考証にかなり無理がでてきます。大体地球なんだったら母船が不時着した時点ですでに地球人がいたのでは?とかね。パラレルワールドのほうがそのへんはすっきりします。でもあそこまで話ひっぱっといていきなりラストが違う世界にいってしまってはそこまでの登場人物が台無しなので,こっちのほうがベターかな、とも思います。また、最初に主人公が不時着した猿の惑星を未来と設定して、最後に主人公が着陸したのがすっごく未来の地球としてもよいわけです。ふむ。こっちのほうが旧作との兼ね合いからもよさそうですね。
とにかく、あのラストについてははっきりした正解があるものとも思えないので、きっとティム・バートンも観客にいろいろ考えさせてやれ!と思って作ったに違いありません(笑)というわけで、それぞれ自由に想像してみると、また楽しめるのではないでしょうか。私も自分の見解を正解だと言い張るつもりは毛頭ありませんので、またみなさんの考えを聞かせていただければ、と思っています。もちろんネタバレになるのでレビューでね。
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