コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 狂った一頁(1926/日)

日本映画史から長らく抜けていた幻の一頁・・・それは若き衣笠貞之助達が当時持てるだけの映像技巧を駆使して作り上げた、あまりにもヘヴィで病んだ悪夢の頁。
AONI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







豪雨、踊り狂う女、鉄格子部屋の番号・・・オープニングの矢継ぎ早のカット割からして圧巻。 効果的な俯瞰&斜めアングルでの撮影、幾重にも重ねた合成モンタージュ(回り続ける車輪etc.)、そして狂人視点による映像を表現した歪んだ(どころじゃない!)画が秀逸。

鉄格子の中で踊り狂う病んだ女ダンサーに熱狂した狂人達が集まってくるシーン、能面をつけた狂人達が何故か幸せそうに見えてくるシーンには、なんともいえぬ恐怖感が忍び寄ってくる。

音楽はフィルム発見後付けられたらしいが、古楽器と電子音を絶妙にアンサンブルしたプログレサウンドが見事なハマリ具合。祭の騒音や犬の遠吠えの挿入も効果的。

確かに衝撃を受けた作品だが、ほとんど精神病院という限定空間で進行する内容(映像)があまりにも息苦しかった。全編が無字幕なので、主人公の男と妻や娘(らしき女達)との関係、妻が狂った理由や悪夢との関連が説明不足で映画だけではわからなかった。

(どうやら、男が妻を虐待し続けた為に狂ってしまい、悔やんだ男は娘に内緒で精神病院で働きながら妻の側にいるという設定のようです。男が自身の暴力衝動に怯えており、医師や妻に暴力を振るう悪夢に唸らされるのは恐らくその為なんですね。深い!)

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。