とうとう、宿敵・柳生烈堂が自ら見参！　これまで全シリーズを手掛けてきた三隅研次に代わって、斎藤武市が初登板。監督が交代し、映画のパワーが持続しているかが気になったが、小池一雄の狂気に似た世界観は健在。

演出の変わったところと言えば、これまで以上に大五郎に脚光を浴びせていた点。ただ、ご丁寧なナレーションが不要に感じた。ドラキュラこと岸田森の相も変らぬ怪演は良かったが、好敵手（？）であるはずの林与一は少し魅力が薄い。

殺陣シーンもこれまでの三隅研次の残酷ながら美しく完成された様式美に代わって、手持ちカメラを使った荒々しい映像に仕上がっていて、血生臭さはさらにアップ！　苦戦する拝一刀が観れるのは価値ありか。