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[コメント] 眠狂四郎無頼剣(1966/日)

欲望・憎悪が渦巻く三つ巴、四つ巴の様相の中、相変わらずクールな眠狂四郎のハードボイルド捕物控。こいつは凄い!
AONI

冒頭の絵と見間違う程の美しい中庭シーンから名作の予感があった。とにかく三隅研次の映像センスがとんでもない!月光を反射する剣の妖美さ。登場人物の前に遮蔽物を置き、大胆に覆い隠す得意の構図。乱雑に転がっているはずのお碗までもが、構図が完璧すぎてカッコよく見えちゃう。

脚本も練りに練られている。大映時代劇は一つ間違えれば地味すぎる嫌いもあるが、“チャンバラ劇の神様”伊藤大輔が脚本を担当しているだけあって、“活劇”を意識した見せ場たっぷりな作品に仕上がっている。

裸で布団に包まった藤村志乃を挟んでの、市川雷蔵天知茂の駆け引き。大火を背景にした、クライマックスの屋根上での円月殺法同士の対決。そして最後に屋根瓦を滑り落ちる竹細工・・・。

スゲー!カッコいい!美しい!これぞ時代劇の最高峰。

(評価:★5)

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