いやいや、私も百恵ちゃんのファンを四半世紀やっていますけどね、これはいただけない。百恵ちゃんを出せば、なんでもOKみたいなのはダメだよ〜。（最後の赤いシリーズ「赤い死線」も同様）

まず、なんともいえない不思議な魅力がある女子高生に、全然見えない。どっちかっていうと、目立たないタイプ。どうみても男の子にモテモテには見えない。第一、ミステリアスなオーラもない。百恵ちゃんは基本的に不幸な人が合うんですよ。しかも超がつくほど、どんどん不幸がおそってくんのね。『絶唱』くらい不幸だとちょうどいいね。人から見たら不幸そうでも、本人は幸せそうにニッコリ微笑んじゃう。その笑顔がたまんない。そういう人なんだから、清水巴って感じじゃない。

ラストのクラスルームのシーンは、学芸会みたいだし。山本ユカリの優等生風セリフまわしや、南條の「オレはオマエを男として好きだった！」に対し、生徒みんなが「先生も清水さんも、ステキです！」と叫ぶところなんてね、キモー！！という感じですよ。シラジラしいというか、なんていうか。そんなことあるわけないじゃん！オンナの子の妬みはそんなに簡単なもんじゃないっすよ。高校生といえどもオンナはオンナ。オンナ心をわかってない脚本。

なんといっても注目は、無名時代の浅野温子サン。サラサラのストレートは同じだけど、白い肉まんのようなマンマル顔で、巴を妬む中心人物の一人を演じている。百恵ちゃんよりも、温子サンの方に注目ですよ。スゴイです。痩せたらあんなに魅力的になるなんて、誰が予想するだろうか！『スローなブギにしてくれ』の温子さんになる前、５年前だよ。この５年間の間に、あんなに存在感のある女優になろうとは、この映画からは想像できない。オドロキですよ！