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[コメント] シャレード(1963/米)

オードリー版「セーラー服と機関銃」?あれれ?反対でしたね。すみません。
Shrewd Fellow

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この感じ、どっかで見たことあるぞー・・・と思いながら最後の結婚証明書のところまで見て、「あー!赤川次郎モノだ。」と思いいたりました。主人公は魅力的でチャーミング、お金持ちで、CIAをCAIなどと言ってしまう世間知らず。(この場面は、あまりにベタなので笑いました!)その彼女のナニカをねらって怪しげな男たちが追い掛け回す(ナニカについては彼女自身もしらない)。でも彼女はもともとじゃじゃ馬で、頭もわるくないから、そのうちにオトコたちのほうがふりまわされたりする。軽くて、おしゃれで笑える会話。ちょっとスリリング、殺しは残酷、ハッピーエンド。よ〜く考えるとコワイはなしなのにカル〜い展開にソレを忘れてしまう、土曜ワイド劇場の「三毛猫ホームズ」シリーズ(石立鉄男&坂口良子version)をみてるみたいでした。

 でも、これは正直な感想であって、☆3の評価には影響してません。主人公がとつぜん事件にまきこまれるんだから、ミステリとしてもたのしめなくっちゃ。ストーリーも赤川次郎ばりに、どんどん先が読めてしまって、ミステリ好きの私としてはだいぶさびしかったです。アイツがだんぜんアヤシイ!というのもわかってしまったし、先がどんどん読めてしまうのはカナシイ。主役はオードリーで、音楽もよいし、舞台はパリだし、コバーン、ケネディら脇役もただコワイだけじゃなくてちょっとオマヌケなところもだしててよかったのに、肝心のミステリがこれじゃ、がっくしきてしまう。レジーの夫が残したもののはあんなに少ししかなくて、そのうち価値がありそうなもの、といったら切手以外に考えられない。レジー宛ての投函されるまえの手紙、と聞いた時点でミステリ好きな人ならひらめくかもしれない。トリプルアクセルなみとはいわないから、あとひとひねりほしかった。たとえば、レジーは夫の過去をしっていて近づき、もうちょっとのところで慰謝料ガッポリもらってサイナラしようと思っていたところに、昔の仲間に先をこされてしまった、とか、実はレジーはケネディあたりとデキていた!とか。(あー、私のイマジネーションも貧弱すぎる。トリCさまがうらやましい!)

衣装,音楽、パリロケ、ギャラに、予算と体力のほとんどを吸い取られてしまったか?たしかに、それらのうち、どれかひとつでもちゃっちかったら、オードリーものとしてのおもしろみまでもがなくなってしまうから、それはそれでいいのかな。あんまりヒネリすぎて、コナンくんみたいになっちゃっても、この映画の大切な要素である“軽快さ”が失われちゃうかもしれないね。やっぱり、そう考えてくるとこのくらいのナソぐあいが映画全体をみるとちょうどいいのかも。姫を魅力的に見せることが最優先、という風に考えると大成功してる。そんなこんなで、たしたりひいたりして☆3。なんとも中途ハンパな点ですな。

それにしてもジバンシーの赤いコート、かわいかったな。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] ina

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