コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 母と暮せば(2015/日)

原爆が落ちたら、どんなことになっちゃうのかを伝える映画にはなってない。特に長崎じゃなくてもよかったのかも。
Shrewd Fellow

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







いかに優秀な方言指導の方がついても、地元のネイティヴスピーカーにしたら、全然なってない!と思うのは仕方がないことだとしても、吉永小百合さん、二宮和也くん、黒木華ちゃんのセリフがまったく自分のものになってない感があるのはどうしたことなのでしょう?大げさな大波で、聞いているほうは脚本の文字が浮かんでくるようなしゃべり方だし、演技するところまで行ってないというか。本田望結ちゃんは子どもなのに、まったく長崎弁じゃなく、標準語だし。言語ヲタクの私には、ものすごく違和感があった。セリフって、役者の言葉じゃなく、役の人の言葉なんですから、ちゃんと自分の言葉にしてから口に出してほしかった。二宮和也くんがここまで下手だったなんて、ちょっと驚き。

そこいくと、脇のお二人、加藤健一さんと広岡由里子さんはさすがです。自然な長崎弁に聞こえましたし(自然に聞こえるってところが大事)、もう全然、発声も活舌も動きも違いすぎる。

マチコちゃんの結婚が決まって、自分の人生を生きて行ってくれることを喜んだまではいいとしても、コウジくん、お母さん連れてっちゃだめでしょ!このラストにもまったく共感できなかった。マチコちゃんの人生を応援し、自分は息子に連れてってもらうだけの物語なら、長崎の原爆じゃなくてもよかったのでは?と思ってしまった。原爆じゃなくても、戦争や、病気や、事故で、家族や大切なともだちを亡くすこともあるのだし。せっかく長崎の原爆を扱ってくれたのだから、世界中の人たちに、こんなことになっちゃうんだよ!!と伝えられる映画にしてくれたらよかったと思う。

(評価:★2)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。