黒人でマシンガントークのコメディアンといえば、（私の貧相な知識のなかでは）エディー・マーフィーが頭に浮かんできますけど、エディーの魅力は、ただ早口でダーーーーっとじゃべる、というだけでなく、Dr.Seuss並みのリズム感と、緊張と緩和のバランスが聞いている人を離さない、というところにあったような気がします。比べるものではないのでしょうが、クリス・タッカーの場合、確かに早口ですが、早いだけで、そんなにおもしろくなかったと思います。そのかわり、声と白目で押し切る、チカラ技（？）がありました。しかし、声だけ聞いて「あ！クリス・タッカーだ！」わかるのは神様のくれたギフトですから、トークの方ももうちょっとがんばってほしいです。

いやー、そうでしたっけ？ジャッキーのハリウッド進出作だったとは知りませんでした。どうりでなんだか借りてきた猫みたいでした。ジャッキーといえば太陽もかくれちゃうような笑顔のカンフーアクションだったんだけど、どうしちゃったんでしょ。緊張していたのかしら？それとも、トシとともに演技派に転向しようとしてる？

それでも、映画としては適当に楽しめました。欲をいえば、もうちょっとハラハラさせてほしかったですね。『身代金』ほどではないとしても、担当刑事がプレッシャーに弱いという設定だったのなら、なおさらのこと「あぶない刑事」のハッサンくらいハラハラ・ヒヤヒヤさせてほしかったなあ。