夏休み、プール、浴衣、花火、プチ家出、二人だけの学校、そして好きな子に素直になれない淡い気持ち…そんな時代を遠くに感じる世代には赤面しかねないキーワードを臆面もなく、でもそれゆえノスタルジックな感傷に心地よく浸ることが出来る。

人生の中で、肉体的にも精神的にも変化を感じる、そんなときがある。抽象的で、そのときに分かるというものではないが、その一瞬が、（監督の）記憶の美化作用（あるいは願望）によってきれいに映し出されている。