[コメント] 情婦(1957/米)
やっぱ5点だ、5点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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初見はどんでん返しに驚愕した。再見してそれ以外のところの面白さに驚嘆した。
一見無駄に思えるおしゃべりの数々。それは、どのシーンも、どのキャラクターをもお粗末にしないサービス精神ゆえ。殺された有閑マダムのお手伝いさんやウィルフリッド卿とその看護婦とのやりとりなどが、この映画をなんと魅力溢るるものとして彩っていることか!これは、ミステリや法廷ものにアレルギーを感ずる人にも、キャラクターで虜にしてやろうという表れに違いない。
マレーネ・ディートリヒの、齢を感じさせない若々しさにも驚かされるが、やはりチャールズ・ロートンなしでは成り立たなかっただろう。愛くるしく、お茶目でやる気のなさそうな彼が、徐々に、弁護士の目に変わっていき、最後には、人生の悲哀さえ感じさせる演技を見せてくれるのだ。
その最後だが、そこまで男を愛し、救いたかったのか、と思うと切ない気分になってくる。どんでん返しが、むしろ不要に思えるのだ。
最後に声を大にして言いたい、
「どんでん返しとは、畢竟、そこに至るまでの過程が大事なのだ。それのないものに、二度目(の観賞)はない」
この映画の爪の垢をせんじて飲ませてやりたい映画がたくさんある。
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