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[コメント] 女相続人(1949/米)

人を馬鹿にするとあとで手痛いしっぺ返しが来る。強いもの・弱いものの立場・上下関係なんか株価と同じく変動するもの。尻尾を踏んづけた猫に爪を立てられた経験があるならば分かるはず。
モモ★ラッチ

キャサリンの父親が娘をことあるごとに馬鹿にした態度をとるのはどうやら、娘を産んですぐ死んだ妻と比較してしまうかららしい。

妻は美しかった、だがその妻の命と引き換えに生まれてきた娘は、比較にならないほど非社交的で美しくもない。

オリビア・デ・ハビランドが演技として垢抜けない女性を演じてはいても、醜女とは到底思えないし、引っ込み思案であることは、今の時代に生きている人間からすると、だからどうしたと感じてしまうので、そこに大きなギャップを感じてしまう。

しかしこれでいいのだ。かつてこういう時代があったと知ることは、あとの時代に生まれてくる人間の権利でもあり、今、生きていくうえで自分が何気なく感じている常識が普遍ではなく、時と場合によって、変化するものであるという当たり前のことを実感できる。昔こんな時代がありました、それを知ることが出来るだけでも面白い。

人は知識を得るごとに自分を幸福とも不幸とも感じる。

時代劇(洋画で言うと歴史劇とかコスチュームプレイとか)を見るたび、自分は今の時代に生まれて幸運だと思う。まあ、ほんのちっちゃなことだけれど。

モンゴメリー・クリフトは見もの。演技が下手くそなので地じゃないかと思ってしまう。

(評価:★4)

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