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[コメント] 普通の人々(1980/米)

学生たちが「カノン」を輪唱するシーンが忘れられない。理解し合えない家族の象徴だろうか。
モモ★ラッチ

カノンは日本語訳では「追復曲」または「追走曲」と言い、「かえるの歌」のような輪唱をさす。

一人(グループ)が歌ったパートを次の人(グループ)が追いかけるようにして歌うこの形式は、また、決して交わることがなく、この家族の象徴のようである。追いかけても追いかけても絶えずどちらか一方が先に進んでいる。一瞬でも立ち止まればいいのだけれど、不安な気持ちはそんな余裕を生み出してはくれない。

僕は、カノンを聴くとこの映画のどうしようもない「暗さ」を反射的に思い浮かべてしまう。その圧倒的な暗さ、理解できない親子像を描いていても、監督の視線は常に優しく、希望を失うことはない。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)地球発[*] KADAGIO[*]

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