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[コメント] そして誰もいなくなった(1974/英=独=仏=伊=スペイン)

ルネ・クレール監督版の方も観たい。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







社会から隔絶されたと言う状況設定は僕の大好きなもののひとつ。原作も大好きだし、この原作に触発されたと思しき西村京太郎の「殺しの双曲線」、綾辻行人の「十角館の殺人」も好み。

ホラー映画でこの手の手法がよく使われるが、至極納得。スリルを醸し出すために必要な情報(警察等に協力を頼めない)とコミュニケーション(お互いがお互いを疑っている)の不在の重要さ。

これを初めて観たときはラスト・シーンに憤慨したものの、観直すと悪くない。宮殿内のエレガントさ、螺旋状に連なった階段(スリラー映画で階段は結構重要)となかなか雰囲気の醸成に掛けては健闘している。俯瞰ショットが多いのも謎の人物U.N.オーウェン氏の視点を意識してのことだろう。

ラストで原作を変えたのも唐突な思いつきと言うよりも伏線がちゃんと張ってある。つまり生き残った二人は結局罪を犯していないということが、本人の口からであるとはいえ語られている。ただしその伏線があざとく感じてしまい支持は出来ない。それに配役もいかにもそうだろうと言う感じで、映画を見慣れた人なら、あの中でリチャード・アッテンボローを一番怪しく感じてしまうのは避けられない。そこに意外性はない(つまり配役が若干ネタバレなワケ)。

と言うわけであの階段に1点アップ。ただ音楽はどう聴いても「火曜サスペンス劇場」なのが惜しい。

(評価:★3)

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