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[コメント] ローズマリーの赤ちゃん(1968/米)

ホラー史に残る、ピカイチに溢れた傑作。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず原作がピカイチである。現代ニューヨークに出没した悪魔の残党を描いたと書くと胡散臭さを感じてしまうが、極めて緻密に、極力派手さを廃した、説得力のある面白い本である。

次にミア・ファローの表情がピカイチである。驚いた表情、神経質な表情をさせて彼女にかなう人はそうはないだろう。最初はキュートに描かれていた彼女もだんだんと痩せこけて別人のようになってしまう。そんな彼女はとてもリアルだった。

脇役もピカイチである。特にルース・ゴードン。極めて普通の、どこにでもいるおせっかいなおばあちゃんという役にリアリティを与えた。

伏線がピカイチである。ローズマリーが疑惑を抱きだすその理由がきわめて自然で、彼女に否応なく感情移入させられてしまう巧みさ。彼女が真実を知ったときに受ける衝撃は、確実にわれわれ観客をも抱いたものだった。

だがなんと言っても、監督をロマン・ポランスキーにしたことがピカイチである。彼の人間不信ぶりは他の多くの作品で垣間見られるが、そこには彼自身、ポーランドで映画作りをはじめながら前衛的な部分が受け容れられずにアメリカに渡り、そこでも恋人を惨殺されるという事件を経験した彼にとっては、決して絵空事ではなかったのだろう。

幾度か使われる童謡もピカイチである。『サスペリア2』でも感じたが、なぜか怖い、そして耳に残る。

そして最後に、ラストもピカイチである。女性、特に母親の視点からは、ラストに納得したと言う意見も多かったそうである。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (12 人)ねこすけ おーい粗茶[*] 山本美容室[*] ダリア[*] わさび[*] クワドラAS[*] はしぼそがらす[*] ジャイアント白田[*] 鵜 白 舞[*] kawa[*] 水那岐 KADAGIO

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