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[コメント] 千と千尋の神隠し(2001/日)

忘れたのではなく、思い出せないだけの、昔日に見た風景が、そこにはあった。
モモ★ラッチ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







水木しげるの本を見るような、アニメならではの魑魅魍魎、百鬼夜行の群れを見ることが出来て素直に楽しかった。

トンネルを見つけたとき、千尋は不安を感じてためらう。あたかもこれから起こることを本能的に感じているかのように。しかし、一人の人間として自立するために通過しなければいけない。不安いっぱい興味ちょっぴり。そこでハクに助けられて爺さんのところへ行った千尋はリンに「挨拶も出来ないのか」と咎められる。ことばの持つ大切さ、そこから生まれるコミュニケーションの大切さは、どのような世界に行っても必要です。

カオナシの存在は、敵か味方かのようなサスペンスも感じさせてくれた。しかしカオナシも悪役ではなく、ただ居場所のない孤独な魂のようなもので、だからこそ相手の欲に乗じて飲み込みことばを得るが、本当に望んでいる、欲に眼もくれない千尋の魂は手に入れられない。だからこそ千尋に惹かれたのだと思う。

いくつか不満はあるが(千尋が突然大活躍しだしたり、ハクの存在など)、何はともあれ映画館で見ることが出来てよかった。

(評価:★5)

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