コメンテータ
ランキング
HELP

ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★4散歩する霊柩車(1964/日)霊柩車の運転手(渥美清)が言う。棺桶の蓋が開いていると“ジャキ”が入り込むと。「邪気」、それとも「邪鬼」だろうか?そうか、麻見(西村晃)と妻(春川ますみ)の「邪気」が世人たちの心の「邪鬼」を呼び起こすわけだ。よくできたブラック譚だなぁ。 [review][投票(1)]
★3大番頭小番頭(1955/日)大番頭(藤原釜足)は権威や権力ではなく矜持の人として描かれ、アプレ世代の大卒番頭(池部良)や若社長(伊藤雄之助)、女子高生(雪村いづみ)も「古さ」を否定しない。「大時代的なもの」を笑いつつ古いものへの敬意と優しさを欠かさない上品な喜劇。 [review][投票]
★4いろはにほへと(1960/日)投資組合理事長(佐田啓二)以下、胡散臭い男たちが集う事務所にはビル建設の騒音が響く。病身の老母と未婚の妹、総勢6人が同居する刑事(伊藤雄之助)の木造平屋。戦後復興の成長と沈滞を象徴する「場」を往還する欲望と正義と権力のピカレスクの妙。 [review][投票(1)]
★2凪待ち(2018/日)依存症男の焦燥が伝わってこず話しの単調さばかりが露見して、どんどん先が読めるから取り巻く人たちの思いも上滑りして見えるという悪循環に。結果、話が分かりやすすぎて、何が言いたいのかよく解らないとう、何を言っているのか分からない感想しか浮かばない。 [review][投票]
★4私の20世紀(1989/独=キューバ=ハンガリー)双子の姉妹は、他者の富を不正に奪取する詐欺師と、国家の体制を暴力で転覆させる革命家になった。反順法、反権力という生き方。20世紀(今も?)に至るまで「制度」は男によって作られてきた。だから華麗かつ執拗に否定することこそが“女の正しさ”の証しなのだ。 [review][投票(1)]
★4億万長者(1954/日)映画公開の1954年は米国の統治から解放されて2年、朝鮮戦争特需の余韻に浸っていたころで、さらに2年後には「もはや戦後ではない」と経済白書に書かれた時期。だから税金払えない人の言い訳も、払わない奴ら居直りも、どこか明るく力強いのかなって感じました。 [review][投票(1)]
★4カモとねぎ(1968/日)ピンク映画、不発弾に公害企業と68年当時ならではギャグ連発。沖縄(当時は返還前)の米軍ネタは今でもブラックギャグとして十分通じるところが逆に怖い。悪い奴が悪いことをするのはしかたないが、良い奴(ヅラ)が悪いことするのは許せないの一言にも妙な説得力あり。 [review][投票]
★2新聞記者(2019/日)脚本が浅い。これじゃ性善説にすがるお人好しの新聞記者の話しにみえます。サスペンスを生む仕掛けなど皆無で、今さら全国民が知っている話しをならべて問題を提起したり告発したつもりになられても困る。望月衣塑子さんは断固、抗議すべきじゃないですか。 [review][投票(2)]
★5ウィーアーリトルゾンビーズ(2018/日)画も音もひっくるめて過剰かつ断片的なおぼつかなさが思春期の心象を象徴する。とは言え、おもちゃ箱をひっくり返しながらも“希望”に向かう姿勢に地に足の着いた骨太さがあるのは、ディフォルメしつつも現実に対して嘘をつかない誠実さが底流にあるからだろう。 [review][投票(1)]
★4町田くんの世界(2019/日)確かに「世界は悪意に満ちている」を言い訳にして他人の善意を信じようとしない今の風潮は、強者が垣間見せる潜在的な優越意識だったり、自分の下に誰かを置いてその場しのぎの安心を得る常套手段だったり、思考底止に追い込まれた弱者の悲痛な叫びだったりする。 [review][投票(1)]
★3旅のおわり世界のはじまり(2019/日=ウズベキスタン)見事なまでに前田敦子以外、誰にも何もさせないぞ、という黒沢清の「頑なさ」に貫かれた、ただ彼女が歩いて、走って、彷徨い、逃げているだけの映画なのだが、もしも、あっちゃんにジュリー・アンドリュースばりのケレンと歌唱力があったなら・・・ [review][投票(1)]
★3エリカ38(2019/日)スタンダード画面に、どぎつく滲む濃厚な色調が息苦しい。初老の女たちは、みな気の毒なほど顔面や手のシワを強調される。この「リアルの誇張」による醜悪さの演出に浅田美代子は見事に耐え、あの『赤い文化住宅の初子』で見せた謎の怪女の不気味に迫る。 [review][投票(1)]
★3たちあがる女(2018/アイスランド=仏=ウクライナ)主人公の強固な意志とエキセントリックな行動は、世の中の「活動」に対する賛意なのか皮肉なのか。それとも社会と「女性」との関わりへの過激な応援なのか揶揄なのか。あるいは蔓延する「善意」の暴走を嗤う戯画や警鐘か。この女に託された作者の意図が分からない。[投票(1)]
★5僕はイエス様が嫌い(2019/日)白銀の世界に象徴された少年のピュアな思いに涙が止まらなかった。神の不在を嘆くあまたの映画にあって、この純朴な“決意”のなんと力強く切ないこと。思いが切実であればあるほど、願うことと祈ることは、どうやら違うようだ。私だっていまだに混同している。 [review][投票]
★4さよならくちびる(2019/日)解散へ向かって時間とステージが消化されていくなか、必要最小限の描写と台詞で綴られていく3人の心情の“うねり”が切なくもスリリング。楽曲の力を信頼し物語の「核心」を門脇と小松の唄に託し、感傷的にならず淡々と反復される演奏シーンの潔さも素晴らしい。 [review][投票(4)]
★4兄消える(2019/日)零細工場の経営者をまっとうする高橋長英のリアルな芝居と、フーテン遊び人柳澤慎一の飄々とした昭和喜劇的もの言いのギャップに当初違和を感じていたが、そのズレがやがて生き方の“差異と幸福”を象徴する「年輪」として、えも言われぬ味を醸し出す。 [review][投票]
★2誰もがそれを知っている(2018/スペイン=仏=伊)アスガー・ファルハディお得意の心に潜む隠された思いの機微と行き違いのサスペンス劇だが、矢継ぎ早に積み重ねられる状況描写から、今回は各人の心情の裏表が伝わってこない。話の展開にもさしたる驚きがなく、描かれる葛藤も三面記事レベルで肩すかし。[投票]
★3嵐電(2019/日)妻との距離を感じながら「不思議な話」を求めて旅する男。好きな対象を撮っていたはずが、いつしか「撮る対象」を好きになってしまう8ミリ少年。「虚構の恋人」の会話(台本)に、心を浸食されてたじろぐ女と男。この“すれ違い”は、映画好きの“ときめき”の暗喩。 [review][投票]
★4洗骨(2018/日)日常的に起こり得る家族問題を、ことさら深刻ぶらずに丁寧に描く照屋年之の手堅さに才気を感じる。ベタだが思わず吹き出してしまうキレの良いギャグもガス抜きとして効果的。旧来の(山田洋次的)執拗なコント調と対極の笑いは、芸人監督ならではのセンス。 [review][投票(1)]
★3空母いぶき(2019/日)恨み骨髄、まったく手加減しない敵の攻撃にも「戦争しないと、どうしようもなくないですか」とは決して言えないので「“戦闘”だけは、とりあえずしないと、どうしようもなくないですか」と言いかえてOKにしておかないと、どうしようもなくないですか、という話。 [review][投票(2)]