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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★4キングスマン:ゴールデン・サークル(2017/英)冒頭の007もどきの追走劇のノリがいまひとつ悪く不安な始動。中盤の『女王陛下の007』へのオマージュとおぼしきイタリアの雪山と終盤の結婚式にほくそ笑む。が、肝心の英米の文化ギャップ・コメディとしての出来は豪華なヤンキー揃えながら設定だおれで毒不足。 [review][投票]
★3勝手にふるえてろ(2017/日)終始止まない過剰な台詞を停滞させない画面構築、繊細に計算された自然音と効果音の使い分けや衣装など、脳内イメージの具現化が巧妙なのだが、その仕掛けが“くどさ”に転じる一面も。そんな監督の要求を体育会的頑張りで体現する松岡茉優の開花ぶりは見事。[投票]
★5砂漠のシモン(1965/メキシコ)確かに溢れる享楽の渦にさらされながら禁欲を貫くよりも、しょせん何もない砂漠の真ん中で誘惑に耐えることの方がたやすいかもしれない。ブニュエルは映画とういう時空魔術を使って意地悪な正論を託した魔女(シルビア・ピナル)を隔離修行者に差し向ける。[投票]
★4皆殺しの天使(1962/メキシコ)礼節にうらづく節度とは、本音を隠した皮相の馴れ合いであるということ。そんな危うい行動様式が「こんがらがる」さまが視覚的に繰り広げられる。ブルジョワジーは“正直さ”を隠ぺいすることで中産という階級を保つという、その対象にも観客にも不親切な暗示。[投票]
★5ビリディアナ(1961/スペイン)ビリディアナ(シルビア・ピナル)の無垢な美貌が輝けば輝くほど俗欲はかきたてられ、献身の純度が増せば増すほど怠惰な依存は深まる。ブニュエルの分かりやすい語り口に心地よくのせられる私は俗人の極み。彼女の“気づき”の気配が、さらに俗人の快感を誘う。[投票(1)]
★3アンダルシアの犬(1928/仏)思いついた断片を羅列する。意味はないが思いは深い。だから作っている当人は高揚している。新規性に観客のハードルは下がる。理解不能は笑いに転嫁。高校の学園祭で級友たちと撮ったモノクロ8ミリがこんな感じだった。映画史の教科書に数行なら記載の価値あり。[投票]
★5花筐 HANAGATAMI(2017/日)全編を通して急き立てるように“音”が鳴り続け、変幻自在に再構築された“画”が少年少女の想いを増幅する。狂気と紙一重の無邪気さで、黄泉の気配のなか止めどなく噴出する青い生。生命力をもてあました亡霊たちの青春映画。そんな違和と矛盾が充満している。 [review][投票]
★2クレージーの無責任清水港(1966/日)こんな雑な脚本、本当に小国英雄が書いたのだろうか。客寄せ主演植木等が孤軍奮闘するも、共演者は付き合いで“こなす感”ありありで、植木の生真面目さが際立って笑うに笑えない。66年の日本には、まだこんな風景が残っていたのだなあとロケ撮に感慨。[投票]
★3砂漠の流れ者(1970/米)善悪の概念が消滅した暴力集団の混沌を描いた『ワイルド・バンチ』。閉鎖集団の人心の奥底に巣食う暴力の噴出を描く『わらの犬』。その狭間の本作の“平穏”は祈りでもあり諦観にもみえる。2作との違いは「時の流れ」という人智や欲望を超越した超暴力の存在。[投票]
★3サイレント・ランニング(1971/米)人は“進歩”という名の我がままから逃れられないことを悟った男の話し、のようだがブルース・ダーンの“表情と行動”がいささかエキセントリック過ぎて、この植物学者はただの変人にしかみえず、窮余の決断もまた潔いというよりは思想なき駄々っ子の我がまま。 [review][投票(1)]
★3ビジランテ(2017/日)大都市近郊に潜在する“限りなく自由に近い土着性”の誘惑と、それを無下に抹殺しきれない優しさ。入江悠はオリジナルで撮ると俄然面白くなる。引きで捉えられた灰色に煙る風景が地方都市の憂鬱を象徴して狂おしくも愛おしい。これは大塚亮撮影の手柄か。 [review][投票(2)]
★4KUBO/クボ 二本の弦の秘密(2016/米)美しくエキサイティングな100分間だった。和紙の風合いと合成樹脂のような硬質感が醸し出す不思議な画調。有機的温もりと無機的低温という相反する要素が見事に調和し、繊細な感性と技術の革新が新たな生命を創作する、というファンタジー・アニメの神髄を堪能した。 [review][投票(1)]
★4エンドレス・ポエトリー(2016/仏=チリ=日)家族との軋轢や友人との葛藤といった「負」を描きながらも、老作家の自伝は刺激的で絢爛で騒々しくポジティブだ。それは90年に及ばんとする「創作」に対する欲望の持続と、人生のすべてを肯定的に書き換えようとする自己愛の深さの発露だ。なんと幸福な人生だろう。 [review][投票(4)]
★2探偵はBARにいる3(2017/日)何の綾もなく進行の説明に終始する退屈な脚本を、何の工夫もなく消化するだけの演出の怠慢。活劇にも喜劇にも、ましてハードボイルドなんてほど遠い。こんなつまらない北川景子リーリー・フランキー前田敦子も観たことないが、彼らのせいではない。 [review][投票(1)]
★4火花(2017/日)ファーストカットの火球が象徴的で美しく切ない。変わらぬ「動」として飲み食いが頻繁に描かれ「静」として街のたたずまいが度々挿まれる。別れの予兆として風に舞う小雪は効果的に二度。リフレインによって焙り出されるのは信念と熱量の持続と、無情な時間の格闘。 [review][投票]
★3希望のかなた(2017/フィンランド)いつもの低体温な語り口だが、今回のネオナチの暴力や、入管の紋きり対応、TVのニュース映像などの取り込み方がいささか直截で戸惑う。作者の苛立ちは感じるが、現実世界への異議表明と寓話調の折り合いが生煮えでもどかしく、思いや怒りが正しく伝わるかは疑問。[投票(5)]
★3月子(2017/日)「ここから」逃げ出したい青年と「どこかへ」帰りたい少女の没コミュニケーションの道行は、撮影の山崎裕が作りだすおぼろげな“あけぼの時”と“たそがれ時”を行き来していっこうに焦点を結ばない。この物語の終わりから、二人の本当の物語が始まるのだろう。[投票]
★3アレノ(2015/日)平成の阿部定は無口で無表情だ。閉塞状態にあっても男根へ依存することもない。共犯意識によって純化された動物的な欲情は、むしろ気まぐれだ。そんな危うさを山田真歩は静かに発散する。昨今これほど真摯なSEXシーンを持つ日本映画に出会った記憶がない。[投票]
★4南瓜とマヨネーズ(2017/日)常識人からすれば思わず説教でもしたくなるズルズルの関係。それが何故か愛おしく見えてしまうのは、焦点が欠落した臼田あさみの目が醸し出すゆるい人相のたまもの。女に「打算」がないのだから「悲壮」など生じる分けもない。すると常識とは打算のことか。 [review][投票(1)]
★3おじいちゃん、死んじゃったって。(2017/日)あれもこれもと欲張りな脚本に、こんなこともあんなこともの無節操な演出。シーンごとにトーンが変わり、イメージも感情も物語も、心にも頭にも、なーんにも残らず一本の映画に見えないのです。水野美紀登場の颯爽と孤軍奮闘の岸井ゆきのにプラス1点。[投票(1)]