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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★5ROMA/ローマ(2018/メキシコ=米)計算されつくしたロングテイクの“閉塞(滲む天窓に飛行機が一機)”で幕が開き、ふいの地異に見舞われようと、時代の渦に巻き込まれようと、思わぬ裏切りに合おうと、天空に昇華するようなラストショットの“開放(空に飛行機が三機)”で一家の物語は幕を閉じる。 [review][投票]
★3運び屋(2018/米)90歳の痩せがまん。爺さんの最後の選択は、歩んできた人生の反省や家族への罪滅ぼしなどでは決してない。だって性懲りもなく、まだ花に水やってるんだもの。これぞ、私たちが長年憧れてきたイーストウッドのダンディズム(自己満足)のススメだったじゃないですか。 [review][投票(3)]
★4天国でまた会おう(2017/仏)状況は過酷かつ反逆的で、どのシーンもシビアかつパワフルに描かれるのだが、全体は飄々として実に軽やか。登場人物の心情や背景(未読だが原作は膨大なのだろう)が過不足なく伝わってくる脚本も的確なのでしょう。心情を多弁に語る“仮面”の造形も美しく楽しい。[投票(1)]
★4ビール・ストリートの恋人たち(2018/米)映画のなかで確実に進行するのは、あふれんばかりの恋心を瞳いっぱいにたたえた19歳の娘ティッシュ(キキ・レイン)の初々しい“過去”の恋愛物語だ。その思いを断ち切るようにおとずれた理不尽な“現在”は、誰がどう手を尽くそうが止まったまま一向に動かない。 [review][投票(1)]
★3女王陛下のお気に入り(2018/アイルランド=英=米)3人の女優さん(特にオリヴィア・コールマン)と美術と衣装を褒めて、撮影のロビー・ライアンの仕事の広がりを期待し、さてここまで変わった(我慢した?)ヨルゴス・ランティモスは、次はどうするのだろうか、とその身の振り方ばかりが気になっています。 [review][投票]
★5岬の兄妹(2018/日)二人が選んだ意図せざる生活は、世間の見えざる「圧」が生み出す不本意な“引きこもり”のようにみえた。本人たちが不本意であるぶん、二人はなりふりかまわず本能を金銭に替えて世間と関わりを持つ。真里子は普通ならざる生活を通して普通を実感したのだろう。 [review][投票(1)]
★3グリーンブック(2018/米)対照的なキャラクターを達者な俳優が上手にこなし、散りばめられた伏線も“そうだよね”と綺麗に回収され、伝統や掟として見過ごされる差別や偏見の根深さもしっかり指摘して、この人情ドラマは収まるべき結論に丸く収まる。なんて分かり易い良い映画だろう。 [review][投票(4)]
★4バーニング 劇場版(2018/韓国)北の国境の稜線を背景に、黄昏に溶ける太極旗の向こうには小さな三日月が浮かぶ。気だるいマイルスの旋律に裸体のシルエットが揺れて、女の手が絡み結ぶハトの影絵が空を舞う。存在したものと消滅するものの“あわいのミステリー”の可視化として傑出した美しさ。 [review][投票(2)]
★4盆唄(2018/日)豊作や大漁への感謝の言葉が、小気味よい太鼓と笛の音に乗せて伸びやかな声で唄い上げられる。その心地よいグルーヴに、いつしか心踊らせ没入している自分に気づく。故郷に戻れない人々の過去、現在、未来の断絶を埋めるための拠りどころが“郷愁”なのだろう。 [review][投票]
★4自動車泥棒(1964/日)無批判にアメリカに憧れる混血青年たちの単純さに、日米安保を過信する安易さを重ね“行き場のなさ”を揶揄する底意地の悪さ。やりたい放題のアバンギャルド演出に和田嘉訓の才気が溢れ、プログラムピクチャーとは思えないアナーキーな前衛ぶりはATG以上。 [review][投票]
★4アストラル・アブノーマル鈴木さん(2018/日)謎の眼帯“ぶんむくれ娘”の傍若無人ぶりが陰気な「嫌味」になる直前に、本当は生真面目な“こじらせ娘”の「滑稽」な悲哀に変換してしまう寸止めの間(ま)や、爆笑より苦笑を誘うシニカルな言葉のセレクトに大野大輔監督のコメディセンスを感じました。 [review][投票]
★4半世界(2019/日)久しぶりに「男」の、しかも、3人の馬鹿正直な中年男の友情(?)物語だ。ただし、紘(稲垣)の鈍感さも、瑛介(長谷川)のナイーブさも、光彦(渋川)の分別くささも、中学時代から一向に変わっていないようだ。「男」を正直に描くと“男らしさ”とは無縁になる。 [review][投票(2)]
★3鈴木家の嘘(2018/日)その“死”は冷静かつ衝撃的に到来し、家族の「欠損」は苦痛のうえに苦悩を上塗りされた個人の戸惑いとして喜劇的要素を交えながら描かれる。素直に笑ってよいものか戸惑った。子供を亡くした経験がある人になら、この“きわどさ”が理解してもらえると思う。。 [review][投票]
★2ゴメスの名はゴメス 流砂(1967/日)学生運動の挫折にあるらしい主人公(仲代)の正義と造反へのこだわりの経緯が、たぶん時間的な成約のせいではっきり描かれず、分かったようでよく解らない。終盤の見せどころで展開が駆け足になり“情感”が湧かないのはTV版再編集という素材の制約のせいだろう。 [review][投票]
★3めぐり逢い(1957/米)船の外観カットのみで大西洋の旅をその気にさせ、あとは安普請の屋内セットでのベテラン俳優の達者な小芝居に終始して、何の変哲もないロマンス物語を飽きさせず見せきってしまう職人技。低予算の不自由を感じさせない的を射た“純愛”の完成度にプロ魂をみる。[投票(1)]
★5非情の男(1961/日)生まれ育ちの劣悪さを嫌悪しながらも、このチンピラ(三上真一郎)の怨嗟に何かを破壊するほどの迫力はなく、その身勝手で場当たりな行動原理はひたすら薄っぺらで滑稽だ。この男、成り上がることで頭がいっぱいなのだが、実は頭のなかは“からっぽ”なのだ。 [review][投票]
★3死者との結婚(1960/日)原作では親戚に怪しい奴がいっぱいいる推理劇なのだろう。女(小山明子)の心の揺らぎに焦点をあてたのは短尺映画として賢明だが、先を急ぐような語り口のためか人物の言動が話を進めるための手段に見えてしまい、ことの成り行きが合理に至らず説得力がいまひとつ。 [review][投票]
★5二階堂家物語(2018/日)なんと情感豊かな画面だろう。ことさら状況や感情が誇張されるわけではないのに画に不思議な吸引力があるのだ。ひとつひとつ事情(抱えた思い)を説いていくような語り口(脚本)の上手さと相まって、のっぴきならない“呪縛の物語”にどんどん引き込まれてしまう。 [review][投票(1)]
★5緑の光線(1986/仏)街角で“偶然”に拾った空想まがいの「緑のカード」で運命など変わるはずもない。一方「緑の光線」は自然の摂理の“必然”なのだ。ただ“必然”を得るには、少しの“思い切り”と“偶然”の出会いが必要なのだ。妥協と努力のほどい良い調和が、幸福と充実の芽。[投票(1)]
★4木と市長と文化会館 または七つの偶然(1992/仏)現実的な課題を鹿爪顔で転がしながら、話は「もしも」でくくられ飄々と流れていく。何ごとも成るようにはならぬが、成らぬこともときにはなり得るのだ、というポリティカルファンタジー。万人を説き伏せる理屈などないが、万人が心地よい感情はあるという達観。[投票]