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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★5アメリカ アメリカ(1963/米)エリア・カザンにとって、どうしても撮らなければならない渾身の一本だったのだろう。そんな気迫がモノクロ画面の力強さから伝わってくる。誇り、希望、平穏、繁栄。人が新天地を目指す(せざるを得ない)“世界の事情”は、120年前も今もそう変わっていない。 [投票]
★4太陽は光り輝く(1953/米)馬の蹄と車輪が土を踏む音だけが粛々と響く。美しく力強い葬送シーンだ。飲んだくれ判事のだらしなさと、南軍退役軍人の頑なさを皮肉りながら、空疎になりがちな「進歩思想の本質」を理屈で語るのではなく“画”の強度で見せきってしまう見事なクライマックスだ。[投票]
★4ジュリアス・シーザー(1953/米)モノクロ/スタンダードに納められた巨大セットの密度と縦横自在のカメラ、役者の個性、群衆の熱気の凝縮度が、60年代のカラー/シネスコ・スペクタル史劇の空疎を嗤う。「説く」ことと「導く」こと、「「正す」ことと「勝つ」ことの本質を見せつけられる恐ろしさ。 [投票(1)]
★3夕陽の群盗(1972/米)宗教的信念に基づいた徴兵拒否が、手段から目的になったとき、生きる糧を得るすべは神の力から仲間と金品に変わるという必然。林の中のグダグダな銃撃戦に『股旅』(73)の刺したり突いたりの素人大刀まわりを思い起こす。価値の混乱とアンチ型式美は時代の空気。[投票(1)]
★4ガンマン大連合(1970/伊=スペイン=独)無駄なカットや余計な間もなく、どんどん話しが転がり理屈抜きで面白い。とはいっても底流には理想主義と同志賛歌がしっかり流れ、終盤のクライマックスで、その核心を革命、暴力、理想、同志、拝金の目まぐるしい攻防というアクションで見せきるエンタメ魂は見事。[投票]
★4襲われた幌馬車(1956/米)冒頭いきなりの銃撃戦で有無を言わさず、悪人面のウィドマークの正体は不明のまま物語に引き込んで、悪と善の間を行きつ戻りつサバイバル話しとして興味をつなぎ、お決まりながら最後に180度反転してみせる脚本が上手い。青空が目に沁みるカラー撮影も印象深い。 [投票]
★4パンク侍、斬られて候(2018/日)トヨエツの大人の論理のどす黒さは『空飛ぶタイヤ』の比ではなく、染谷のテンパリは“ゆとり”のリアルを悲しく代弁し、北川の「腹ふり」は彼女史上最も可愛い。何よりも、孤独なバカはバカとして解放し、群れるバカをちゃんとバカたど言い切る真摯さが素晴らしい。 [review][投票(2)]
★4女と男の観覧車(2017/米)ブリキ玩具のような毒キノコ色のコニーアイランド。どす黒いオレンジ色に染まる女の部屋。窓外には観覧車が血を滴らせた骸骨のような姿をさらす。いつしか女を包む希望もどきの青ざめた光も生気なく虚ろだ。女は自分の閉塞と願望の振れ幅の極端さに気づいていない。 [review][投票(4)]
★4刑事ジョン・ブック 目撃者(1985/米)猥雑でサスペンスフルな都会(フィラデルフィア)の殺人の顛末と、無菌の里のようなアーミッシュの村(ペンシルベニア)の牧歌的日常のギャップは、まるでタイムスリップもの。刑事による未知の目撃(Witness)こそが隠れた主題だろうに、この邦題のミスリードは罪。 [投票]
★3焼肉ドラゴン(2018/日)同じ阪神間が舞台の姉妹物語『細雪』が頭をよぎっていた。時代や生活背景は違えども距離は僅か10数キロ。芦屋の山の手の名家と、伊丹の河原ぎわの朝鮮部落。見えない制度や身分の枷の下、家のしがらみや行く末に悩み、恋慕に迷うこの三姉妹も“自立”に揺れる。 [review][投票(2)]
★3空飛ぶタイヤ(2018/日)池井戸潤の定型パターンから家族の絆や中小企業の社員の同志的連帯といった“うんざり”気味の人情要素を削ぎ落とし、久しぶりにソース顔と醤油顔という死語を思い出させる長瀬とフジオカの、思いと立場上“どちらも有り”な対立話に絞り込んだ脚本の潔さが功奏。 [review][投票(1)]
★430年後の同窓会(2017/米)再び遠くの戦争の災禍に家族を襲われた男。流されるまま自堕落に時を過ごした男。野卑を求道で覆い隠し清算した男。ベトナムの過酷と理不尽を経験し、30年の歳月を過ごした3人は“あの時”を嫌悪しながらも思い出にはしゃぐ。哀しくとも青春とは忘れがたき栄光。 [review][投票(1)]
★3夜の浜辺でひとり(2017/韓国)ふられ女の脳内と現実のズレを可視化する試み。周囲の気づかいや良識ある対応に、女(キク・ミニ)の思いと迷いや逃避と欲望は、制御不能な甘え、強がり、攻撃となってたれ流される。女の心象らしき謎の男は謎のまま、やがて女は世間の“腫れモノ”と化すだろう。[投票(2)]
★5それから(2017/韓国)社長にも愛人にも妻にも、もちろん巻き込まれた目撃者であるアルム(キム・ミニ)にとっても文字通り「ある日」の“劇的”な出来事だった。そして後日。あんなに切羽詰まり、怒り、泣き、叫んだはずなのに・・・。人の生き方は「記憶の強度」をも左右する。 [review][投票]
★4銭ゲバ(1970/日)わずか90分に詰め込まれた情報の多さを考えると、強引な語りや舌足らずを責めるより、ベビーフェイス唐十郎(すでに30歳)の非現実的な存在感を駆使し、話の肝である“醜くも哀しい悪”を夢幻のごとく担保して、綱渡り的に破綻を回避した演出の剛腕を評価する。 [review][投票]
★3あらかじめ失われた恋人たちよ(1971/日)言葉を封じる暴力をまえに通じない言葉に足掻き、言葉を持たない者たちの意図せざる強固さに追随する道化師石橋蓮司の滑稽。ケレンなき武骨な語り口は“この時代”の素人演出の武器であり限界でもある。撮影所システム崩壊に乗じ乱入した異才の異物的快作。 [投票]
★4万引き家族(2018/日)この一家を語るのに絆という言葉は使わないと決めた。絆という漠然とした概念は、法律という明文の対極にありながら、どちらも人が平穏でいるために無理やり作った安心装置にすぎない。この集団は常人の安全装置の外にいるから恐ろしくもあり、愛おしくもある。 [review][投票(2)]
★3レッズ(1981/米)左翼活動史の薄皮を剥げば、猛進男と高邁女が反発しつつも惹かれ合う典型的カップル話。大河的深みや厚みはないけれどベティ&キートンの好演と、息抜きのように挟まれる爺さん婆さんの“顔”がみな素晴らしく、いつしか3時間半が過ぎてしまった剛腕メロドラマ。[投票(1)]
★2海を駆ける(2018/日=仏=インドネシア)幼稚。若者四人の関係は中学生なみで失笑。津波、反政府活動、宗教、国籍、家族、日本軍、ジャーナリズム、救済、邪悪、霊魂。羅列された問題は“提起”ではなくことごとく“放棄”される。いかようにも解釈しろといわんばかりだが、どうにも解釈のしようがない。 [review][投票(1)]
★3妻よ薔薇のように 家族はつらいよ III(2018/日)西村の無頓着で野放図な頭髪と、夏川の重量感とルーズなウエスト周りに、社会的に不自由はないが精神的な緊張が足りない、いわば一生懸命には違いないが、その懸命さが生活の目的になってしまったような惰性が漂う。喜劇を戯画で終わらせないリアルな造形に感心。 [review][投票(2)]