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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★4教室の子供たち(1955/日)理論や手法ではなく、子供という存在の“愛おしさ”を見せること。教員向けに指導方法を啓蒙するという目的のために、何を映像として見せれば大人(教師)にとって効果的かというとを羽仁進は直感的に悟っていたのだ。この作品を嫌いだと言う大人はまずいない。 [review][投票]
★4絵を描く子供たち(1956/日)落書きと泥だんごは、子供にとって呼吸するのと同じぐらい自然な行為なのだ。そんな、子供たちの創作物の変化が、いつしか常識の名のもとに「活力」を失うことを知る身として郷愁が・・・。作中の作画解説が、現在でも発育科学的に正しいかはいささか疑問ですが。 [review][投票]
★3セールスマン(2016/イラン=仏)妻に疑念を抱いた夫は、疑念を生じさせた凶行者を暴くことで、平穏が回復できるはずだという、非論理的でありながら、いかにも正当であるかのような勘違いに、自ら進んで逃避する。この思考放棄の結末は、個人でも国家でも、たいてい分けのわからぬ混沌で終わる。[投票]
★4彼女と彼(1963/日)漠たる幸福の拒絶と無産への回帰願望。大陸からの引揚者だという直子(左幸子)は、無意識のうちに“定住”に抗う女なのだ。転がるように豊かさを目指して猛進する60年代。そんな時代の「総意」に、彼女が正統かつ対等に抗う手段が無意識の「善意」だったのだ。 [review][投票(1)]
★4不良少年(1961/日)不良を演じる本物どもの意気揚々ぶりが、学芸会で張り切るクラスの悪ガキたちのようで微笑ましい。とは言え、世間への鬱憤が貼り付いた彼らの不満顔はドラマの虚構性に埋没せず、主人公(山田君)の仏頂面は一瞬たりとも弛緩することなく、彼の心根を表出し続ける。[投票]
★3ブワナ・トシの歌(1965/日)芝居の意味を解しているかさえ定かでないアフリカの民を相手に、30代半ば、絶頂期の渥美清の“芝居”を呼応させ“お話し”をでっちあげたこの疑似ドラマには、創作の自由と楽しさが溢れている。何を語るかより、何が撮れたかにしか興味がない羽仁進の真骨頂。 [review][投票]
★2初恋・地獄篇(1968/日)イメージの連鎖といえば聞こえは良いが、ただの絵空ごとの羅列。たかだか10代の少年や少女だって、こんなに複雑でデリケートな心情を生きているんですと、さりげなくアンチ社会、アンチ論理、アンチ政治で語ったつもりだろうが、どうにも地に足がついていない。 [review][投票]
★4おとなの事情(2016/伊)散々、笑わせておきながら、手のひら返しの深刻ぶりが“興ざめ”で、語りが破綻したと思いきや、不思議な余韻を残し話は閉じる。ひっくり返したちゃぶ台を、わけしり顔でとりなすでもなし、虚無を露わに突き放すでもない。そんな“どっち着かず”がこの映画の魅力。[投票]
★4お盆の弟(2015/日)欲はあるが戦略も戦術もない。生活力はないが家事力はある。神仏や先祖に願掛けし希望との距離を保ち、優しいのか、鈍感なのか、人のために動くことは惜しまない。だから、いや、なのに、愛する人から「あなた、すごくカッコ悪いのよ」と言われた男の話である。 [review][投票]
★4異魚島(1977/韓国)原作があるようだが、本作もキム・ギヨンが繰り返し描く自然破壊への憎悪と、結果としての種の断絶に対する警鐘という子孫継承への深いこだわりが貫かれる。後期ATG作品をほうふつとさせるも、女が「性」をリードし男は繁殖の道具というカマキリ思考は強烈。 [投票]
★3死んでもいい経験(1988/韓国)亡霊のように、息子の後ろについてぬーと現れるあの父母はなんだ!これぞ「種」の呪縛。想像を絶する展開の飛躍と、演出の暴走ぶり(例を上げたらきりがない)がたまらなく魅力的。その「止まらなさ」は、「洗練」をかなぐり捨てた増村保蔵のごとし。[投票]
★3欲動(2014/日)いささかエキゾチズム(今さらケチャはちょっと古臭い)に頼り過ぎの感はあるが、図式的で理屈っぽい脚本を、何とか「存在と不在の不安」を主題とした「浜辺の映画」として消化しようと苦心する監督杉野希妃の気概は買う。ラストショットは奇跡的に美しい。[投票]
★4雪女(2016/日)女はまるで彼岸の使者のように、老いや病に苦しむ者を此岸から解放する。安楽死。人と雪の精との交感は、静かに流れる時間のなかで育まれ、互いの愛を認め合う静かな静かなクライマックスへと結実する。異種との交わりは、新たな可能性を世界に授けるという示唆。[投票]
★3マンガ肉と僕(2014/日)せっかくのエキセントリックな設定を活かしきるだけの熱量を感じない。新進監督には、ときには作品が破たんするほどのパッションが必要で、それが個性となり作家としての可能性と存在意義をカタチ作るのだ。映画慣れしたような変な「気取り」が個性を殺している。 [review][投票]
★2禁忌(2014/日)禁を犯さざるを得ない切迫感を感じない。まあ杉野希妃は製作当事者だからしょうがないとして、それ以外の人物がすべてミスキャスト。少女は見るからに処女であり、少年は没性徴的でなければならないのはず。あと、揺らぎの契機になる音楽や声楽の扱いが雑。[投票]
★3断食芸人(2015/日=韓国)60年代の臭いをプンプンさせた足立正生の反骨ぶりは頑固かつ明晰で、「自由が生む想念こそが、自由を束縛している」から現代は息苦しのだという主張もうなずける。ただ、くり出される狂騒イメージに既視感が漂い新鮮味なく、殺傷力は敵を倒すまでに至らず。[投票]
★4下衆の愛(2015/日)映画とは青くさく、映画屋とは胡散臭くさいものだ。野放しの表現欲は、だらしのない性欲のように制御不能なのだ。とにかく下衆なのだ。下衆の愛ほど、はた迷惑なのもはなく、純粋なものもない。だから人はしばし世間を忘れ「下衆」に浸るために映画館へ足を運ぶ。 [review][投票]
★4玄海灘は知っている(1961/韓国)日本人からの手ひどい差別的仕打ちを描きながら、憎悪のための憎悪を煽らない節度に、民族意識を超えて人間そのものの「生きる意義」を捉えようとする志を感じる。死屍累々、人智を超えた圧巻の復活シーンは宗教的神秘性を帯び、不気味さと美しさが渾然一体化する。[投票]
★3エミアビのはじまりとはじまり(2016/日)悲劇と喜劇を両立させ心の解放を描く難しさ。原作だよりの昨今、オリジナルで勝負する渡辺謙作の心意気は買うが、はたして「何でもやる覚悟」は万能なのだろうか。漫才演技に汲々とする男優陣のなか、関西弁の軽妙さに気丈を秘めたパンダ顔の黒木華が好い。[投票]
★3ギャンブラー(1971/米)酒、賭博、売春、阿片、銃撃、乗っ取り、そして、5ドルの女(ジュリー・クリスティ)。湿気の絶えない鉱山町の世事はみな生々しいのに、すべて男(ウォーレン・ベイティ)の夢中の出来事なのだ。不自然なまでに光学的に画面を汚す紗のような幻想雪がその証。 [投票(1)]