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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★3HERO(2002/中国=香港)舞踊アクションも色彩設計も分かった、別にいいよこれで。で、無名の入城シーンでたっぷりと期待させてくれた「個と群れ」の話はどうなったのだ。人間を描くこと怠ったておきながらの悟りや改心など、個の生命を賭したテロリストに対して無礼である。 [投票(2)]
★3裏窓(1954/米)ヒッチコック作品が退屈な理由。1、饒舌すぎる会話シーン。2、感情移入を拒む主人公たちの特異な職業や身分。3、美しすぎて状況から浮きまくる女優。・・・クライマックスまでに、必ず3回は睡魔に襲われてしまう。名作の誉れ高いこの映画も私には同じ。[投票(5)]
★4ある愛の詩(1970/米)幸福と不幸の落差を利用して客の心を動かそうなどというのは、最も単純で卑しい手法だと思いつつ、好きなんですこの映画。過剰な感情の煽りなしで、希望と絶望の逆転は誰にでも起こりうる日常的出来事だということを、素直に納得させる丁寧な演出の賜物。[投票(4)]
★4栄光のル・マン(1971/米)街や観衆のドキュメンタリーショットと俳優達の演技ショットの編集の妙が奇跡的な臨場感を生み、轟音と喧騒の中で己の命をギリギリの状況にさらし続ける寡黙な男たちの心情が痛いほど伝わってくる。夢の中のを漂うようなクラッシュシーンが絶品。[投票(3)]
★3007/死ぬのは奴らだ(1973/英)車はもちろん、バス(二階建です)、ヘリ(定番です)、カイト(準定番)、女(もちろん定番)、セスナ(飛びません)、ワニ(ネタバレ?)、ボート(これがウリです)、列車(蛇足だな)と、繰り出される乗り物アクションの大盛りで腹いっぱいです。[投票(2)]
★2ビッグ・ウェンズデー(1978/米)撮りようによっては面白くなりそうな話(脚本)なのに、ディテールの描き方がルーズなのでちっとも感情移入できず、わざわざ冒頭で「これは青春の物語だ」と宣言したわりに全然青春してこない。名脚本家、必ずしも名監督にあらずのジョン・ミリアス[投票(2)]
★3スペース カウボーイ(2000/米)夢をかなえるというよりは、鬱陶しいほどの未練の末にやっとたどり着いたこの世の果てで、自分達も脳天気に加担した冷戦の悔いの塊を見るという皮肉。ロシアの衛星がひと時の熱愛の末、産み捨てられた赤子のようで不憫。[投票(6)]
★3銀座の恋の物語(1962/日)信州に老母を残す次郎(きっと次男坊だろう)は画家を、港の娼婦の子供宮本は音楽家を、東京大空襲で両親を亡くしたチャコは服飾家を目指す。当時の若い観客達は、銀幕の彼らに自分の境遇と夢を重ねたに違いない。昭和37年のリアルな青春おとぎ話。 [投票]
★4憎いあンちくしょう(1962/日)「愛は創るものだ」、「いや、信じるものだ」と「純粋愛」なるわけの分からん浮ついた青臭い話しと思いきや、戦前的美徳の象徴である「芦川いずみ・小池朝雄」カップルに対する行動主義に目覚めた「ルリ子&裕次郎」カップルによるカッコいいアンチテーゼ映画。[投票(3)]
★3嵐を呼ぶ男(1957/日)日本映画の黄金期を象徴する一つのプログラムピクチャーのスタイルがここにある。映画製作を再開した新生日活。裕次郎という肉体と才能。画面のカラーワイド化。様々な要素が呼応し合って、映画そのものが瑞々しい輝きとパワーを放っている。 [review][投票]
★2結婚(1993/日)第1話・アホまるだしのシンデレラストーリー。脚本の桃井章は、かおりさんの実兄。第2話・お手軽鈴木清順ワールドが炸裂。腐っても清純。(3点)第3話・それなりにムードはあるが、クライマックスの告白シーンが最悪。やはり恩地日出夫。(2点)[投票]
★3男はつらいよ 寅次郎恋愛塾(1985/日)それなりに可憐な樋口可南子を前にしても今回の寅は深入りせず、平田満のオトボケも自己完結してしまい話しが全然ふくらまない。笑えるのが法学教授松村達雄のドタバタだけというなんとも淡白な仕上がり。[投票(2)]
★4シャッフル(1981/日)当時の石井聰亙作品には、物語の幼稚さと突出したアクションのパワーが混在していた。そんな石井が自らの得意な部分だけを抽出してカタチにしたこの16ミリ短編は、『狂い咲きサンダーロード』や『爆裂都市』に比べて純度の部分で一歩抜きん出ている。[投票(1)]
★3マルサの女2(1988/日)内偵捜査中の前半はめっぽう面白いのだが、いざマルサが正面対決で始動しだしたとたんに緊張感が失速する。正義の女が話しの軸からはずれて、カラカラと音を立てて空回りしている。伊丹十三宮本信子も、あるべき過剰さの一線を踏み越えてしまった。[投票(1)]
★3青春の門 自立篇(1977/日)アメリカかぶれの資本家令嬢と左翼演劇学生。任侠心を引きずるヤクザ。価値が錯綜する戦後復興期の人間模様が鍵なのだが、どれもいまひとつ魅力に乏しい。唯一、インテリ娼婦いしだあゆみと体育教師高橋悦史が互いの死臭を嗅ぎあう一夜に凄みが漂う。[投票]
★2竹久夢二物語 恋する(1975/日)風景の中の人物を撮るときたぐい稀な異彩を放つ斎藤耕一監督が、ほとんどセット撮影で構成された加藤泰脚本を見たときには途方にくれたのではないか。結果、斎藤監督は役者の顔の芝居ばかり撮ることになる。暑苦しい北大路と梶と中野の顔、顔、顔。[投票]
★2花心中(1973/日)阿久悠上村一夫コンビ独特の気だるく湿った青春物語を、近藤正臣中野良子の坊ちゃん嬢ちゃんカップルでやると言うのだから企画の段階でNG。しかも都会が撮れない斎藤耕一監督。やはり半端なメロドラマになった。[投票]
★4死刑台のエレベーター(1957/仏)女の情念が生む焦燥感。男の冷静が生む緊迫感。若者カップルの反発が生む刹那感。三つの映画的感情が、アンリ・ドカエが作り出す視覚的陰影とマイルス・デイビスが奏でる聴覚的陰影の中でからまり合ってスクリーン上で共振している。[投票]
★4夏至(2000/仏=ベトナム)解き放たれた女たちの蒼い新芽のようなエロティシズム。急激な価値の変化に戸惑う自信なさげな男たち。女と男が求め合うものが微妙にすれ違うときに生じる切なさと滑稽さを、トラン・アン・ユン監督は新鮮なタッチで見せてくれる。[投票]
★5ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999/独=米=仏=キューバ)この映画で最も重要なことは1998年という20世紀末に、かつて時代を鮮やかに彩ったにもかかわらず、忘れ去られてしまった偉大な先達を私達の前に提示した行為そのものにある。同じ世紀を生きた先輩達に、敬意を表す機会をくれたライとベンダースに感謝。[投票]