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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★4飛べ!フェニックス(1965/米)どう間違っても打ち解けそうにない、国籍も職業も性格も違う男たちが砂漠の真ん中で孤立するという定石どうりの面白さで始まって、結局最後まで中途半端な和解や妥協や同情なしで物語が進むという定石くずしが凄い。えらく男っぽい無骨な映画。[投票(4)]
★3トリュフォーの思春期(1976/仏)大人の世界には規範という檻があり、それを律儀に守らなければならない息苦しさと、すぐにその抜け穴を探ろうとする後ろめたさの中で生きなければならないことなど、子供は判ってくれない。だから奴らは、厄介な存在でありながらいつも眩しく輝いている。[投票]
★3あこがれ(1957/仏)無邪気にピストルごっこで戯れる少年達の無邪気で幼い性的衝動は無邪気に恋を謳歌するカップルへの無邪気な攻撃となって無邪気に弾けたかと思いきや思いもよらない重い壁に突き当たるという、誰にでも心当たりのある思春期の無邪気なお話。[投票(1)]
★2大人は判ってくれない(1959/仏)ヌーベルバーグとはよく言ったもので、確かにその映画群が束ねられたときに起こった「うねり」の価値は映画史上認めざるを得ない。しかしその一本一本の評価となると、無邪気で素人的な傲慢さと表現上の確信犯的美しさの欠如が鼻につきどうしても疑問が残る。[投票(2)]
★3学校II(1996/日)リュー先生(西田敏行)は、大学へ行かずにミュージシャンになりたいという自分の娘の思いと、高志(吉岡秀隆)がとった行動との間に何か差を感じているのだろうか?そこが知りたい。何故なら、その差こそが偏見そのものの正体に思えてならないから。[投票]
★3シェーン(1953/米)未来を見失った男と男の子の物語。法も秩序もない世界が終わりを告げ、力だけを信じてきた者たちは彷徨い始める。時代に梯子を外されたさすらい人と、目指すべき荒野を見失った少年の心がワイオミングの山々の下で共鳴する。[投票(1)]
★3北北西に進路を取れ(1959/米)導入部の誘拐と状況設定あたりまではそれなりに緊張感があるのだが、主人公が北北西へ向かい始めてからの個々のエピソードが間延びして終わってみれば2時間20分の長尺に。頭が良いのか悪いのか分からない犯人グループが間抜けさに輪をかける。[投票(3)]
★2ダイヤルMを廻せ!(1954/米)字幕(セリフ)でしか物語を追えない視覚的刺激の欠如した饒舌さに、前夜の夜更かしだけが原因とは思えない睡魔が襲来する。トリック崩しの面白さはあっても、映画としてのカタルシスはない。[投票(1)]
★3断崖(1941/米)婚期期限ギリギリお嬢様の焦りと世間知らずが物事の発端では、主人公の苦悩に何の共感もわかない。ジェーン・フォンテーヌのこれ見よがしのブリッ子芝居とヒッチコックの取ってつけたような不安感の煽り演出が時代の遺物として寒々しい。[投票]
★4ひまわり(1970/伊)肉感的で情熱ほとばしるソフィア・ローレンと可憐で愛くるしいリュドミラ・サベリーエワの両方と・・・。アントニオが羨ましい、などとは口が裂けても言ってはいけない悲しい運命の物語。でもデ・シーカは絶対に男の邪心を計算に入れてる。[投票(1)]
★3この森で、天使はバスを降りた(1996/米)変わることを静かにではあるが切望し待ち続ける者いれば、それを恐れ拒む者がいる。自分の居場所を求めつつ、それを許されない者もいる。そんな人間たちの心の小さな動揺がゆっくりと共振し始めたとき、次の世界が見え始める・・・というおとぎ話。[投票(1)]
★4上海から来た女(1947/米)見えているものが何かではなく、どう見えているかに気をとられたとき人は真実を見失う。むさ苦しい男達の中で輝くリタ・ヘイワースに目を奪われ、次々に繰り出されるバランスを欠いたショット群に幻惑され、いつしか心地良い虚構の中にいる自分に気付く。[投票(1)]
★3ホワイト・クリスマス(1954/米)可もなく不可もない、典型的アメリカン音楽映画。今となってはビング・クロスビーダニー・ケイローズマリー・クルーニーの歌だけではさすがに辛いが、ヴェラ・エレンのダンスとスタイルが素晴らしいので何とか2時間しのげる。[投票]
★3波止場(1954/米)プロパガンダがそのまま娯楽に成り得た幸せな時代の佳作。海に突き落とされたボスのズブ濡れ姿や無視される手配師だけでカタルシスを演出しようとするところに、アメリカン・コミュニストの良心とその限界が見える。[投票(3)]
★4シャレード(1963/米)ミュージカル出身のスタンリー・ドーネン監督らしく、ステップを踏むように軽やかに映画は進む。今回もケーリー・グラントウォルター・マッソーらオジサ連中相手に、ヘップバーンが34歳に見えないお嬢ちゃんぶりで可憐に奮闘。[投票(1)]
★4コレクター(1965/英=米)初見の時ほど昂揚感がないのは何故か。1、コミュニケーション不全が日常化したから。2、私の心の奥に巣っていた征服願望が薄れたから。3、昨今の過剰サイコサスペンス症候群に私も侵されているから。いずれにしろ、この作品に責任はないと思う。[投票(2)]
★4Z(1969/仏=アルジェリア)既存の体制から逃れるには三つの方法がある。しかし、権力者が体制の保持にその権力を使う限り、必ずどこかで血が流れることになる。 [review][投票]
★3ホスピタル(1971/米)公民権運動やら、ベトナム反戦やら、ヒッピーやら、フリーSEXやら、石化資源の枯渇問題やら、ドラッグ問題やらが一気にあだ花咲かせた70年前後の価値混乱期に、アーサー・ヒラー監督があの『ある愛の詩』の次に撮ったのだからますます話が混乱する。[投票]
★3史上最大の作戦(1962/米)ノルマンディ上陸自体がドラマなのだからそれ以上の細かな話はいらない、とばかりに繰り広げられる大味な展開は、連合国軍に恩もなければ義理もない私にはちょっと退屈。ワンショットに必ず三回以上の爆発が起きる地上戦は、さながら上陸記念のお祭り騒ぎ。[投票(1)]
★4暗黒街の弾痕(1937/米)フリッツ・ラングの研ぎ澄まされたショットの積み重ねが生む美しさは、合理的でシンプルなメカ製品が放つ輝きに似ている。その精緻な作りが、人間の猜疑心という暗部をベースにしながら純愛を語るという相反する課題を一級の娯楽映画として結実させた。[投票(9)]