★4 | グレン・ミラー物語(1954/米) | 賢き良き妻ジューン・アリスンに支えられ、飄々と自分の道を進むジェームス・スチュアート。この夫婦関係もまたグレン・ミラーの楽曲と同様に日本人にとってアメリカ文化の象徴であり憧れだった。サッチモやジーン・クルーパが聴けるのも楽しい。 | [投票] |
★5 | アンネの日記(1959/米) | 天窓から空を望むことしかできない閉ざされた空間の中、ミリー・パーキンス演じるアンネのほとばしる多感な奔放さが切ない。2時間半にも及ぶ物語を屋根裏の中だけで見せてしまうジョージ・スティーブンスの演出力も驚き。
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★4 | サイコ(1960/米) | 何をどう見せれば客は怖がるかを知っていたヒッチ・コックという人は、結局観客に絶対の信頼を置いていたのだろう。大音響やSFXに頼り切ったテーマパークのアトラクション的サスペンスやホラー映画に今何が欠けているかがよく分る。 | [投票] |
★2 | アラモ(1960/米) | 退屈なショットを延々2時間30分も見せられる拷問的苦痛。弛緩しきった画面からアクションとしての躍動も人間ドラマとしての緊張も生まれるはずがない。監督ジョン・ウェインの大いなる失敗作。 | [投票] |
★3 | ナバロンの要塞(1961/米) | 集められた精鋭たちが次から次へと起こる難関を突破して・・・というお決まり展開。レジスタンスの女を巡る騒ぎから要塞へ侵入する最後の30分ぐらいでやっと話が面白くなる。結局2時間半も持たせる内容ではなかったということ。 | [投票] |
★3 | 暗くなるまで待って(1967/米) | 冷静になって細かなことを気にしだすと、あまりのご都合主義に開いた口が塞がらなくなる話だが、ボ〜っと観ていると緻密に計算された密室サスペンスに見えてしまう。これぞ天才的映画ペテン師テレンス・ヤングの妙技。誉めてるつもりです。 | [投票(1)] |
★3 | ブリット(1968/米) | カーアクションではなくカーチェイスの醍醐味。それはダイブやクラッシュや爆発ではなく、追う者と逃げる者が生み出す昂揚感。小技を効かせた市中の鬼ごっこから、郊外の爆走レースへと展開するシンプルで骨太な疾走。これは、あの懐かしき『駅馬車』の興奮。 | [投票(2)] |
★4 | オーメン(1976/米) | 73年に登場したハッタリ系の元祖『エクソシスト』に抗するサスペンス系の正統派。インテリ都会派のホープ・ダミアン君は、この後さらに対抗するように登場するハッタリ系カントリー派・ジェイソン君とともにホラー界アイドルの座を二分する。 | [投票(2)] |
★3 | ポワゾン(2001/米=仏) | ときとして純度の高い愛はポワゾンになり得、それは嘘によってしか中和できないという隠微な秘密。 | [投票] |
★2 | 真夜中まで(1999/日) | カッコ良いのは冒頭とエンディングのカルテットの演奏シーンだけ。ベースになっている話が全然面白くないのだから、いくら撮影に凝ったところで完成度の低さはいかんともしがたい。せめてヒロインをもう少し魅力的に撮って欲しかった。 | [投票(1)] |
★3 | 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日) | 不釣合いな変則三角関係の中で揺れる寅の心情が描ききれず、だだの沢田研二と田中裕子の恋愛映画になってしまった。登場するだけでスクリーンのトーンを変えてしまう田中裕子の可憐なセクシーさにプラス1点。 | [投票(3)] |
★4 | 陽はまた昇る(2002/日) | 二百数十人の“ひと”に託した優しき挑戦者の熱い思いが嫌味なく伝わってくる。情緒のたれ流しや思い入れの押し付けになりがちな熱血ドラマを、落ち着いたタッチでまとめきった新鋭佐々部清監督の手腕はみごと。新たな娯楽映画の作り手として期待する。 | [投票] |
★3 | 男はつらいよ 旅と女と寅次郎(1983/日) | 「『ローマの休日』矢切りの渡しバージョン佐渡島篇」として見ると、そのまとまりの無さはいかんともしがたいが、豪華な出演者に注目すると各エピソードの冴えは都はるみの存在をかすませるほど。結構、笑わせてくれる捨てがたい一品。 [review] | [投票(6)] |
★4 | 渚のシンドバッド(1995/日) | 相川さんに吸い寄せられるように、まばゆい夏の陽光の下を行く吉田君と伊藤君。みかん畑の不思議な香りに包まれ仰ぎ見る青空と一体化する相川さん。一瞬、性差を越えて生き物として交流できるかのような予感を漂わせる浜辺の出来事とその結末が痛々しい。
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★2 | ぼくらの七日間戦争(1988/日) | 机上の映画。脚本家にも監督にも、自分の中学生時代を思い出す余裕は残っていない。11人の少年少女達は人形のように動かされ、うわ言のようなセリフを吐かされる。理解者であるはずの教師賀来千香子が最も不気味に見えるという矛盾。 | [投票] |
★3 | 天城越え(1983/日) | 刑事の執念と犯人の悔悟、性に目覚めた少年の嫉妬心、堕ちて奔放な中に母性を見せる女。この三つがバラバラに描かれ融和していないところに難がある。結果として清楚で美しい田中裕子の汚れ役が印象的に見えるだけ。 | [投票(1)] |
★3 | 少林サッカー(2001/香港) | 粗雑さを埋めるほどのパワー有とは言いがたく、物語を払拭するほどの芸有りとも認めがたし。残念ながら「有り余る」の形容に至らず。 | [投票] |
★4 | 独立愚連隊(1959/日) | 佐藤充と雪村いずみの自信に満ちたちた笑顔。それは集団に個性が埋没する時代状況にあっても、自分という個を信じることが行動の起点になっていることの証し。なんと不敵ですがすがしいカップル。これがこの映画のキモであり岡本喜八の真骨頂。 | [投票(2)] |
★4 | 独立愚連隊西へ(1960/日) | 誰が敵やら味方やら、何が良いやら悪いやら、全て混沌とさせてしまい軍旗奪還という不毛な命令を滑稽さの象徴に仕立て上げてしまう岡本喜八のアイロニー。かつて邦画には戦場舞台にした、こんなアクション映画やコメディ映画がたくさんあった。 [review] | [投票(6)] |
★3 | 白い花びら(1999/フィンランド) | サイレントへの憧れと敬意ということなのだろうが、観たいのはやはりアキ・カウリスマキの個性であって上手な模倣テクニックではない。妻を救いに夫が酒場へ赴いてからの後半の30分ぐらいから少しオリジナリティが感じられた。 | [投票(2)] |