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ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★3残菊物語(1939/日)嫌味のひとつも言ってやりたくなるぐらい花柳章太郎のダメ男ぶりが素晴らしく、その頼りなさを、姉のような厳しさと母のような優しさで、そして一人の歌舞伎ファンとしてのシビアな目で慈しむ森赫子の強さを含んだ可憐さが良い。ただ全体は単調で退屈。[投票]
★2千里眼(2000/日)陳腐さやルーズさがある種の微笑ましさの域に達したとき、その映画にはB級傑作という栄誉を与えられるのだが、そのためには製作者側に真剣さに裏打ちされた大らかさが必要なわけで、この映画からはそんなゆとりが感じられない。要は下手なだけ。[投票]
★2任侠清水港(1957/日)オールスター映画の常とは言え、この御大たちの大見えとアップ合戦は見ていてさすがに疲れると言うか、呆れる。ことあるごとにスクリーン上に繰り広げられる「映画役者」の、我を忘れ、さらには観客の存在をも忘れたかのような自己主張が物語の流れをぶった切る。[投票]
★2メリンダとメリンダ(2004/米)本来、二律背反する物語が融合離反を繰り返し観客の感情を幻惑するという狙いなのだろうが、提示される二つの物語がかつて何処かで見たいつものアレン節のままで、中途半端なパラレル感しか残らない。最後の喜劇作家の訳知り台詞が企画倒れへの言い訳に聞こえる。[投票]
★5チャーリーズ・エンジェル フルスロットル(2003/米)前作のスピードとパワーを踏襲しつつ絶妙な間で繰り出されるショットの数々は、全て過不足なく心地よい必要最小限の意味を持ち、なおかつその構図構成にも隙がない。これはもう神業か。この純粋な徹底ぶりが生む快感は活劇映画の傑作として記憶されるべきである。[投票]
★3チャップリンの移民(1917/米)17年製作の作品はみな興味深い。これもまた、貧困の中での希望、ピュアでストレートな恋愛という後のチャップリンのテーマが色濃く反映されている。この時期になると個人芸での笑い作りの要素が減り、物語重視で観客に語りかけようとしている。[投票]
★3チャップリンの勇敢(1917/米)喜劇という設定を借りながら、スラム街の貧民という社会性をはっきりと意識した後年につながるこれもまた習作のひとつだろう。笑いの中にも、サスペンス的緊張感を取り入れようとするかのようなイージー通りでの移動撮影が実験的で大変興味深い。 [投票]
★4蟻の兵隊(2005/日)身に起きた理不尽さを語り継がんとする者。過去の残虐行為を日常の事として忘れ去る者、人生の汚点として口をつぐむ者。戦場の記憶をめぐる増幅、忘却、隠蔽。奥村氏が贖罪と自己防衛のために一瞬見せた日本兵としての言動にまさに「戦争と人間」を見た思いがする。[投票]
★4チャップリンの替玉(1916/米)10年代のチャップリン作品は、概してストリーよりもギャグが優先され途中から話の筋が見えなくなることが多いのだが、本作はシーンごとの人物描写が丁寧でストーリーが追いやすい。ギャグよりも、話の展開と人物関係で笑いを作りを試みるトライアルにも見える。[投票]
★3チャップリンのスケート(1916/米)意表を突く小ネタ連発のウェイター・ギャグと、切れ味の良いダンスを思わせるスケート・ギャグでそつなく楽しませてくれる。浮気者の女が超巨漢キャラクターで、滑稽というか、不気味というか、実に映画的=見世物的で強烈な存在感。[投票]
★2チャップリンの番頭(1916/米)同僚店員との蹴ったり殴ったりのギャグが、細かな工夫が有るとはいえパターンとしては同じ展開の繰り返しでやや退屈。見せ場は時計の分解ギャグくらいで観終わった後の印象が薄い。私の好きなオープンへの展開がないのも物足りなさの原因かもしれない。 [投票]
★3チャップリンの舟乗り生活(1915/米)同じ船ネタの『キートンの漂流』(21)がパニックコメディになっているのに対して、本作はあくまでも芸で笑いを狙うところがいかにもチャップリンらしい。船の揺れの中、矢継ぎ早に繰り出される小ネタを見続けるうちに本当に船酔いしそうになるから不思議。[投票]
★2チャップリンの伯爵(1916/米)もちろん本作も、高度な身体芸(例えばダンスシーン)と意表を突くギャグ(あのスイカは食いにくそうだ。爆笑した)満載なのだが、設定とキャラクターがオーソドックスなので、物足りなさを感じてしまうという贅沢な不満もチャップリン映画ならではなのだろう。[投票]
★4サーカス(1928/米)20年代に入りチャップリンの作品群は物語性が重視され始めるのだが、その核は「シニカルな社会批判」と「やるせない人生の悲哀」に大別できる。本作は『キッド』と並ぶ後者の傑作であり、ギャグと物語のバランスにおいてはそれ以上の出来。サルには大笑いする。[投票]
★2続・座頭市物語(1962/日)市の殺陣にケレン味が加わったのは勝新太郎の役者の意地だろうか。娯楽作品としての見どころといえば唯一それだけで、後は言わずもがなの凡庸さ。お客呼びたさにとって付けたような城健三朗との兄弟競演は、いかにも底が浅く志を感じないやっつけ仕事。[投票]
★4もし、あなたなら〜6つの視線(2003/韓国)ひとつのテーマに対して、高いレベルで各者各様の個性的表現が楽しめると言う、あたりまえのようでいて実は難しい課題をクリアしているという点でオムニバス映画として成功している。さらに、各作家によってあぶりだされる皮肉の効いた毒気に圧倒される。 [review][投票]
★3チャップリンの冒険(1917/米)オープンで撮られた冒頭の海岸沿いの崖の段差ギャグと、たどり着いた港の救出ギャグまでは圧倒的な運動量で勢いがあるのだが、後半の室内ギャグがお決まりパターン(といっても小ネタ満載でクスクスさせられるのだが)でいささかパワーダウンで印象薄。 [投票]
★3学校の怪談3(1997/日)鏡の中で子供たちが目にするのは、まさに夢の中で体験する奇天烈さであり、すると金子修介が描く鏡の中とは彼らの頭の中そのものなのだ。本当に怖いもの、大切なものは実は君たちの頭の中にあるのだというメッセージは、はたして子供たちに届いただろうか。 [review][投票]
★4続拝啓天皇陛下様(1964/日)時代に流されるでもなく、自らが置かれた状況を淡々と生きる善助(渥美清)の姿は、決して力強くも立派でもないが何故か美しさが漂う。我々が、生きがいだ、やりがいだ、自分探しだと生きることに理由づけをしたがりだしたのは何時頃からだったろうか。 [投票]
★2駅 STATION(1981/日)前半の、妻、同僚、妹の各エピソードへの三上(高倉健)のからみ方があまりに情緒的なため、見る側が「出来事」としての価値を共有できず10数年に渡る男の年代記としての連続性が感じられない。結果「舟歌」パートのみが意味もなく突出して記憶に残る。[投票]