コメンテータ
ランキング
HELP

ぽんしゅうさんのコメント: 投票数順

★3ラストシーン(2002/日)おそらく中途半端なリアリティのせいで、過去と現在のパートが噛合わず、三原(西島秀之ジョニー吉長)が35年間抱え込んだ失意と悔悟の念がどこからも伝わってこない。中田秀夫にとっては不本意だろうが薄っぺらな郷愁映画に見えてしまう。 [投票]
★4ヤンヤン 夏の想い出(2000/台湾=日)確かに人は、複雑で厄介な日々を生きていると自分で錯覚しているだけなのかも知れない。結局は大田(イッセ−尾形)のマジックのタネのように、そこには原因と結果が存在するだけなのに。大いなる錯覚が、互いの思いで増幅され続けるから人生は辛いのだ。[投票]
★5バニシング・ポイント(1971/米)コワルスキーの「時間」を賭けたデンバーからシスコへの疾走は、自分に残された「時間」を自らの手で消滅させ得るか否かの挑戦だった。身も心も時代に弄ばれた男の虚無はスピードという武器だけを信じ、安穏としたアメリカの田舎街を切り裂くのだ。[投票]
★3マニトウ(1978/米)唐突に本題へ突入する強引な展開に、これぞ「打倒!『エクソシスト』」的意気込みの現れと期待がふくらむものの「どうせB級ですから」的投げやり根性も見え隠れ。一抹の不安はやがて映画を支配し、案の定クライマックスは神秘と科学の投げやり合戦。[投票]
★3荒野のダッチワイフ(1967/日)若松が描く密室性が血や汗といった生身の感覚を有しているのに対して、大和屋竺のそれはどこまでも軽やかで非肉体的である。荒野に端を発しながら、見る見るうちに終わりなき閉鎖回路へと潜り込むシュールでスタイリッシュな死界をめぐる空っぽの旅。[投票]
★4旅するパオジャンフー(1995/日=台湾)どう見ても時代と社会から取り残された弱者にしか見えないのだが、伝統芸能の誇り高き伝道者を自負して譲らぬ彼らの生き様を、いかに評価して良いものやら私には判らない。屈託のない若いカップルの行く末に、一抹の不安を抱くのは間違いなのだろうか。 [投票]
★3国士無双(1986/日)ベタギャグばかりなのに、中井貴一の抜け方が笑いの強要を中和しフランキー堺がくりだす名人芸的ドタバタが、これまた絶妙の間で思わずクスリと笑ってしまう拾い物的佳作。笑いはムードと間が生むものであり、強制からは決して生まれないという見本。[投票]
★4KAMIKAZE TAXI(1995/日)64年から94年までの30年間。栄光が終焉し転がり落ちるように内在したを矛盾を露呈した日本社会。その「時」を失った中年男の戸惑いと、空気として吸った若者たちの焦燥が、戦後社会の戦犯たちに鉄槌を下さんとするさまは心地よくも悲痛であった。[投票]
★4Revolver リボルバー(1988/日)佐藤正午の持ち味であるご都合主義の面白さを荒井晴彦が手際よくまとめ、藤田敏八が、らしからぬ歯切れよさでさばいた佳作。撃つべき相手も見えず銃を持つ権利だけを手にした男から、狙うべき私念の標的を持つ者たちの間を転々と彷徨うリボルバー。 [review][投票]
★3クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃(2005/日)暗黒タマタマ大追跡』の兄妹愛に『オトナ帝国の逆襲』の未来を守るためというテーマをブレンドし、悪役秘密組織も、憧れの美少女も、春日部防衛隊も削ぎ落とし野原家オンリーでの一点突破は苦しまぎれの原点志向か?シリーズの行く末を探る暗中模索の一作。 [review][投票]
★4逆転(1963/米)いるだけで画面が輝く美貌のインテリ外交官エルケ・ソマーの、ちょっとポール・ニューマンを突き放した感じが粋で楽しい。悪役は常に悪役らしく、不和は和解の口実という丸っきりの定型話でも、これみよがしなヒッチコックよりこの方が好みです。 [投票]
★3脱走大作戦(1968/米)階級にこだわり右往左往する素人将軍たちの優雅な間抜けさに、人間の本質がかいま見えて結構笑えます。ポール・ニューマンのぐうたら芝居がちょっとわざとらしいのとシルヴィア・コシナが趣味じゃないので減点。戦争コメディの佳作といったところ。[投票]
★3カーツーム(1966/英)英雄伝説という、いかにも西洋ヒーロー主義者が好きそうな単細胞思考だけを頼りに、イスラム教徒に理解を示したかのように中途半端にすり寄る偽善性はさておき、苦悩の表情が全然似合わぬチャールトン・ヘストンの不器用な猿芝居がけっこう笑える。 [投票]
★2瀬戸内ムーンライト・セレナーデ(1996/日)脚本は悪くないと思うのですが・・いや、むしろ話は好きなのですが、全てのエピソードが緩急のない演出でだらだら続き何の感慨も生まれません。空襲と震災では破壊の意味がまったく違うのに、それを安易に重ね合わせてしまう篠田正浩の鈍感さには呆れます。[投票]
★4心の香り(1992/中国)「別離」をカタチとしてしか理解できなかった少年は、祖父と蓮おばさんの交流から本当の「別れ」の意味を知り、心の「距離」を埋める術を学ぶ。ともすると情緒に流され過剰になりかねないテーマを、さらりとまとめたスン・チョウ監督の手腕はみごとだ。 [review][投票]
★4きれいなおかあさん(1999/中国)我が子の耳が聞こえないと知った時、母親には周りが見えなくなったのだ。自分と子供だけの閉じられた世界でもがく母親は、時に凛々しく美しくもあり、痛々しく見苦しくもある。中国女の強さを演じたたら比類ないコン・リーが、そんな人間らしい母親を熱演。[投票]
★4M/OTHER(1999/日)自業自得に起因する友人の愚痴を延々と聞かされているような不快さは、私の知り合いにアキ(渡辺真起子)そっくりな思考と境遇の女がいるからだけではないだろう。生身の役者から、人間のズルさと弱さを抽出することに成功した意地の悪い映画だ。[投票]
★3妖女の時代(1988/日)話しの底の浅さとぬるさ、妙なキャスティングが生む間抜けぶりはテレビの2時間サスペンス級なのだが、長崎俊一のスピード感(これが彼の本来の持ち味なのだ)と安藤庄平の「オレは映画屋だ!」的こだわりが微笑ましく、どこか憎めない1本。[投票]
★3歩く、人(2001/日)確かに家族の、まして男どうしの意地としがらみは、お互いの立場や思いが分かるだけに厄介なもので、小林政広が描かんとすることは理解できる。ただ、その葛藤を画面の気分で感じさせようとしていながら画面を使って説明してしまうという矛盾が致命的。 [投票]
★2殺し KOROSHI(2000/日)ムードは嫌いじゃない。気分は十二分に分かる。でも、それだけでは映画にならない。「人生→愛し愛されること→生きる意義→仕事と言う名の自己満足」というテーマが未消化なうえ、展開が丸見えの物語を今さら見せられても・・・現実はもっとシビア。[投票]