★5 | 恋極道(1997/日) | 日本の『俺たちに明日はない』は、白い花とともに散る。大阪・西成に咲いたボニー(洋子・夏生ゆうな)は野花のごとくつつましく、クライド(金一・奥田瑛二)の見失った愛情への渇望は激しく痛々しい。素敵なタイトルにたがわぬ哀しい恋愛映画だ。 | [投票] |
★3 | 郡上一揆(2000/日) | 日本映画の農民は無知で極貧で身勝手というのが相場だが、ここまで知的で精悍に、団結心が強く勇敢な百姓が描がかれたのは初めて見た。スポンサーたるJAも積年の思いが晴らせ面子が立ったことだろう。もう少し、個々人を丁寧に描いて欲しかった。 | [投票] |
★3 | 白い手(1990/日) | 大人の視点が抜けきらない子供の話しは奇麗なだけで心には響かない。劇中、先生が生徒の作文を「大変良く書けているが、少々自分に都合良く書きすぎているところが欠点です」と批評するセリフがあるが、この言葉がそのままこの作品にも当てはまる。 | [投票] |
★3 | 下弦の月〜ラスト・クォーター(2004/日) | プロットは結構しっかりしているけど、手法が20〜30年前(いつまでたっても大林宣彦の延長線上から抜け出せない)で新味が足りません。今なら、この手の話は原作を韓国に売り飛ばして向こうの脚本・監督・役者でリメイクすればきっとヒットしますね。 | [投票] |
★3 | ガメラ2 レギオン襲来(1996/日) | 怪獣映画?いやパニック映画を目指したのだろう。しかも大胆にも地球外生物という外敵の襲来にかこつけて、個別的自衛権の発動まで描いて自衛隊への大サービス。しかし、いかんせん演出力がその志に遥かに及ばず、焦点のボケた緊張感のない中途半端な仕上がり。 | [投票] |
★4 | 遥かなる国の歌(1962/日) | 取り立てて、どうと言うことのないプログラムピクチャーながら山川潤(小林旭)という男の、勢いだけで突き進む唐突な行動が、お約束どおりのストーリーに微妙な変化とズレを生み出して妙に魅力的な映画になっていて実に楽しいので、思わず4点献上。 | [投票] |
★3 | 海賊版 BOOTLEG FILM(1999/日) | おそらく行為の意味を問うことに意味はなく、かと言って純粋にフィルムに写し撮られた画を追ったところで発見や快感があるわけでもない。喪失と蘇生の物語は何も語らず、ただ映画的イメージのドン詰まり感だけが伝わってくる。まさか、それが狙いとも思えない。 | [投票] |
★3 | CLOSING TIME(1996/日) | 失意がクールさに転換するわけでもなく、まして過激さや過剰さを生むでもない、ただただ自死を待つかのような男の彷徨は、確かにリアルではあるかもしれないが、男が時おり見せるどうしようもない甘えに自己嫌悪的不快は起きても共感は生まれなっかた。 | [投票] |
★4 | 世界の涯てに(1996/香港) | 失ったもの、見つけたもの。ノルマンをルーツとし中国人を母に持つスコットランドの海の男と、モンゴルの高原に生まれ育ち香港へと流れて来た男。境界というしがらみを失い、人生そのものを流浪する男たちだからこそ、女は二人の生に希望を見つけたのだ。 [review] | [投票] |
★3 | 忠直卿行状記(1960/日) | 永田雅一の海外映画祭の賞狙いがプンプン臭う導入部から中盤の葛藤劇も、稀代のエンターティナー森一生監督の手にかかると終わってみれば只の高尚な人情劇に納まってしまうという誉めて良いのか、がっかりして良いのかよく分からない佳作。 | [投票] |
★3 | 幕末(1970/日) | 竜馬の半生物として過不足なくまとまっていてるのだが、TV時代劇全盛の公開時を考えると映画としての魅力や面白みに欠け、錦之助や仲代の時代がかった大芝居が浮いて見える。やはり時代劇過渡期の遺物と言わざるを得ない。吉永小百合が意外といけてる。 | [投票] |
★3 | 女と三悪人(1962/日) | 確かに山本富士子は美しいのだが、ただ見た目が綺麗なだけで何だか血の通わぬお人形さんみたいでどうにも魅力を感じません。だから彼女に入れ揚げる男たちにも感情移入できず、その思いが薄っぺらく見えてしまいました。やっぱり女は中身「も」大切です。 | [投票] |
★4 | シャブ極道(1996/日) | 惚れるのはた易いが、惚れ続けることは難しい。20余年に渡る男と男と女の相惚れ物語。こんなピュアな愛情は、確かにアウトサイダーの世界と破天荒な主人公を準備しないと気恥ずかしくて描けない。役所広司はもとより早乙女愛と渡辺正行が好演。
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★5 | 悪い女 青い門(1998/韓国) | 男の欲望は罪なのか。ならば男たちの罪を、罰するのではなく、許す行為とは正当な癒しなのか。ジナ(イ・ジンウ)の童顔の下に隠された無意識の意志は、慈愛なのか虚無がなせる業なのか。差し出されるジナの肉体は救済の方舟なのか、ただの抜け殻なのか。 [review] | [投票] |
★2 | 処女監禁(1977/日) | 東映純情アイドル三崎奈美の心機一転体当たり演技も、関本郁夫の中途半端な志の中で虚しく散る。 | [投票] |
★3 | 朝はダメよ!(1980/日) | 当時ブームの「翔んでる女ロマンポルノ」バージョンも、時代をリードするどころか追いつくことも出来ず興味本位の風俗ポルノの枠に留まった。 | [投票] |
★2 | ズームアップ 暴行白書(1981/日) | 復讐談がありきたりで陳腐。80年代ロマンポルノの低迷を体現するような映画。せっかくの風祭ゆきがもったいないです。 | [投票] |
★2 | 獣たちの熱い眠り(1981/日) | アイドル脱皮をはからんとする三浦友和一念発起の汚れ役も、その甘すぎる坊ちゃんフェイスと山口百恵を我らの前から奪った男としての反感には勝てず、総スカンを喰った上にイメージまで落した悲惨な記念碑映画。 | [投票] |
★4 | コマンド戦略(1968/米) | オーソドックスな展開ながら、アンドリュー・V・マクラグレン監督の骨太で男臭い演出でたっぷり楽しめる快作。太い荒縄で結ばれたかのような粗野な男たちの友情物語が結構泣かせてくれる。これだからハリウッドお得意の浪花節映画はやめられない。 | [投票] |
★4 | 性賊 セックスジャック(1970/日) | 組織を信じ、つまり依存し、あっと言う間に思想エリートに見捨てられた者たちの俗で凡庸な無邪気さと、端からシステムを捨てた川向こう育ちの青年の個的暴走の対比が痛いほど鋭い。さすらいのテロリストは、やがてパレスチナへと向かう足立正生自身の投影か。 | [投票] |