コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 異国の出来事(1948/米)

占領下のクラブ歌手(M・デートリッヒ)の魔女的な微笑が放つサディズム。生真面目な鎧で恋愛の傷を覆い隠す保守系女性議員(J・アーサー)の滑稽。そんな二人の女の間を、プチ権力と色欲と軍の司令に振り回され、右往左往する占領軍大尉(J・ランド)の憎めない狡猾。
ぽんしゅう

と、ちょっと皮肉なラブコメにみせかけておきながら、映画の底に刻まれた戦争によって露わにされた人間の業と、欲望と、悲しみの深さが透けて見える。巧みな笑いの奥に仕込まれたビリー・ワイルダーの人間愛をもてあそぶ戦争の罪への批判に最後は笑えなくなった。

随所に写し込まれる廃墟化したベルリンの街並(冒頭の空撮はすざましい)が、隠し味の香辛料のよに効いていいる。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。