[コメント] ゾディアック(2007/米)
一瞬にして全てを奪われる恐怖と、いつしか自らも気づかぬうちにじわじわと人生を捻じ曲げられてしまう不幸。ゾディアック事件の恐ろしさとは、ある殺人者の存在もさることながら、その殺人者に居座り続けられた者にとっての時間の長さだったということですね。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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任務として使命を果そうとする刑事(マーク・ラファロ)は組織という壁に行く手をはばまれ、欲求の具現としての成果に酔う記者(ロバート・ダウニーJr.)はおごりという穴に落とされる。そして、パズル好きのイラストレーター(ジェイク・ギレンホール)は、性癖としての探究心の成就と引き換えに家族を失う。
一瞬にして受けた心のダメージは、時間の経過が癒してくれる。しかし逆に、曖昧なわだかまりは時間とともに人から「何か」を奪うものなのだ。それは何も「殺人者」といった非日常的な存在に限ったものだけではない。例えば、家族や恋人との心すれ違い、友人や同僚との意思や価値のずれ、組織や立場上から生じるコミュニケーション不全。任務や欲望や性癖と引き換えに、我々も知らないうちに「何か」を奪われているのだと思う。
面白かったけど、この映画無駄に長すぎます。
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