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[コメント] タロットカード殺人事件(2006/英=米)

アレンとヒロインが丁々発止を繰り広げる定番パターンは大好きだ。そこには、役者アレンの十八番である男の身勝手さ、意固地さ、ひ弱さの噴出の裏に、自分でもコントロール不能に陥った「愛情」という情を前にした男の戸惑いがいつもあったからだ。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







残念ながら、今回のシド(ウディ・アレン)とサンドラ(スカーレット・ヨハンソン)の掛け合いには男と女の「愛」と「情」の機微は皆無。そこには、設定どおり見たままの、突然の厄介ごとに巻き込まれた老手品師と野心家の女子学生の姿しかなかった。当然、男と女の物語にも殺人事件ミステリーにも厚みが生まれるはずはない。

無理もない。アレンは70歳を越えている。サンドラの父親どころか爺さんだろう。役者ウディ・アレンが20歳若かったら、世間知らずの野暮でセクシーな女子大生への初老の手品師の切ない「愛」と「情」の物語が成立していたかもしれない。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (4 人)ゑぎ[*] DSCH[*] 牛乳瓶 づん[*]

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