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[コメント] アイム・ノット・ゼア(2007/米=独)

確かに伝記に秀作は少なく、ディランといえどもまともに作ると凡作になるのは目に見えており、ランボーの「私はひとりの他人である」に着想したと思われる6人構成は楽しい。特に、本筋のジャック&ジョンソン牧師とジュードのパートは、本物よりそれっぽい。
ぽんしゅう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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本筋を補完する潜在的な根っこであるウディ・ガスリー(マーカス・カール・フランクリン)のパートはまあいいとして、ボブ・ディランの理想の行動像とも考えられるビリー・ザ・キッド(リチャード・ギア)のパートが大した意味も深みもなく、まるでエンディングのためにとって付けただけのようでつまらない。ここがビッシと決まらないと、この6人バラバラ構成にした意味がなくなると思うのだが。(70年代をリアルタイムで知っている映画ファンなら、誰もが、ディランがビリーに憧れる青年役を演じたあのサム・ペキンパー作品が引っ掛かっていただろう)。

80年代初期風でスタイリッシュな狂言まわしベン・ウィショーのアルチュール・ランボーや、70年代アートフルなロビー(ヒース・レジャー)とクレア(シャルロット・ゲンズブール)の私生活カップルは、良くも悪くも映画の時代装置として構成上それなりに機能していたと思う。

ビートルズとアレン・ギンズバーグは笑えたが、ジョーン・バエズにジュリアン・ムーアはチョッと違うんじゃないの。・・・・てな感じの、頑張ってはいるがほころびも目立つ異色〈風〉伝記映画。

(評価:★3)

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