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[コメント] 億万長者(1954/日)

映画公開の1954年は米国の統治から解放されて2年、朝鮮戦争特需の余韻に浸っていたころで、さらに2年後には「もはや戦後ではない」と経済白書に書かれた時期。だから税金払えない人の言い訳も、払わない奴ら居直りも、どこか明るく力強いのかなって感じました。
ぽんしゅう

シングルマザーの山田五十鈴は自費でシッターを雇ってるけど、昨今の“女性が輝く社会づくり”に巻き込まれたママは「保育園落ちた、日本死ね」って言ってました。主のいなくなった町工場を北林谷栄一家は総出して露店で支えますが、今なら後継者のいないこんな会社は「負動産」化する前にとっとと処分されるのでしょう。岡田英次は、昨今話題の引きこもり呼ばわりされるでしょうし、「核武装しなきゃ、しかたなくないですか」って思ってる久我美子の成れの果てもたくさんいそうです。伊藤雄之助の「記憶にありません」は言わずもがな。税務署の小役人木村功は正直すぎて国会で笑われますが、あんた公文書を書き変えさせたろ!と言われた高級官僚は国税庁の長官になりました。

当時も今も、国会議事堂は永田町に厳然と“あり”ますが、生活の“あり”ようは似ているようで、ぜんぜん然違う。子供が多すぎて税金までは払えない国と、子供がいなくて税金が集まらなくなる国。どっちが将来“いい国”になるかは明らかですもの。確かにこれは“笑うに笑えません”ね。

そんなことを考えました。

(評価:★4)

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