コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 藁の楯(2013/日)

恨みや憎しみを抱えた者など世界中にごまんといる訳で、そこに大儀(正義や正論)と金銭(欲や貧困)が絡めば、誰もが武器をとり得るという危うさに時代の空気が滲む。それは、テロルや死刑制度に潜む感情的「正当性」と心理的「虚しさ」の問題にも通底する。
ぽんしゅう

良い意味でスタイルを持たない三池崇史演出の柔軟ぶり。ハリウッドアクションそのまんまの高速道路上のカークラッシュに、ノンストップ列車の閉塞感は懐かしき『天国と地獄』や『皇帝のいない八月』の焼き直し現代版。

終盤の人けのない地方都市の畑や住宅街を背景にした正と悪の対峙は、まるでポン・ジュノの『殺人の追憶』や『母なる証明』。そして、無理やり女を消して職務に没頭する姿に、かえって女性性が滲む松嶋菜々子には『告発のとき』のシャーリーズ・セロンがだぶる。

猿マネ模倣映画と揶揄することなかれ。このテンションでアクション映画が作れる演出家は、残念ながら日本には三池崇史をおいて他に見当たらないのだから。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)シーチキン[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。